公務員のデザイン職は、ここ数年でいくつかの自治体で募集があるものの、まだまだ世間一般的には認知度が低いと言えます。
実際、自分の身の回りでも公務員のデザイン・クリエイティブ枠のことを知っている人は、数えるほどです。
そこで、今回はそんな公務員のデザイン職の疑問について解決するため、Q&Aという形で回答していこうと思います。
いざ「公務員のデザイン職試験を受けよう!」と思い立ったとしても、まず何をしていいのか分からないという人も多いでしょう。
ここでは、そんな小さな疑問から大きな疑問までを一挙に解決できるようなQ&Aを用意しています。
今回の記事を読めば、公務員のデザイン職試験についてどんな準備をすればいいのか具体的にイメージできるようになるでしょう。
公務員のデザイン職(事務系)についてのQ&A、20連発!

ブログのタイトルにもあるように、ここからは「公務員のデザイン職(事務系)についてのQ&A、20連発!」と銘打って、ありとあらゆる疑問に答えていこうと思います。
ここではデザイナーのような専門職についてではなく、デザイン・クリエイティブ枠のような事務系のデザイン職についての内容をメインとしています。
それぞれの質問について、より詳しく知りたい方は関連記事などを参考に自分でも色々と調べてみると良いでしょう。

公務員のデザイン職は美術やデザインの勉強をしている人でないとダメ?
公務員のデザイン・クリエイティブ枠(事務系)について言えば、芸大や美大などを卒業要件としている自治体は少ないです。(数は少ないですが、美大を卒業要件としている自治体もあるにはあります)
極端なことを言えば、受験資格さえ満たしていれば一般大学を卒業した人であっても、それなりの実績があれば充分合格を狙える圏内です。
ただし、公務員のデザイン職といえども、事務職ではなく、建築など「専門職」として募集をおこなっている場合は、芸大や美大などを卒業要件としていることが多いです。

どこの自治体でも公務員のデザイン職の募集はあるの?
今現在、公務員のデザイン・クリエイティブ枠のような公務員のデザイン職を募集している自治体は、数えるほどしかありません。
ですが、今後、ますますデザインに関連した職種の募集は広がっていくでしょう。
兵庫県神戸市や新潟県長岡市、千葉県市川市や富山県高岡市はいち早くデザイン・クリエイティブ枠の募集を始め、徐々にその成果を出し始めています。
デザイン・クリエイティブ枠で採用された人材が徐々に活躍の場を広げており、他の自治体も追随する可能性は大いにあります。
今後の動向を注意してみていきましょう。
公務員のデザイン職試験は、色々な自治体と併願受験してもいいの?
試験日程さえかぶっていなければ、どの自治体と併願しても問題ありません。地方公務員試験と国家公務員試験を併願することも可能です。
例えば、特許庁の試験と、神戸市などのデザイン・クリエイティブ枠の試験を併願することも可能です。
同じ自治体で一般事務の試験と、デザイン・クリエイティブ枠の試験は併願できるの?
基本的に同じ自治体で一般事務の試験と。デザイン・クリエイティブ枠の試験は併願できないと思ってよいでしょう。
というのも、一般事務の試験とデザイン・クリエイティブ枠のは同一日に設定されていることが多く、併願しようと思ってもどちらか一つの職種を選ばねばならない場合が多いです。
ただし、年齢要件さえ満たしていれば、その年に一般事務の試験を受けて、次の年にデザイン・クリエイティブ枠の試験を受けるといったことは可能です。
公務員のデザイン職試験の受験料っていくらかかるの?
公務員のデザイン職試験に限らず、公務員試験全般において受験料はかかりません。
そのため、どんな自治体や省庁の試験をいくつも受けたとしても、受験料は一切かかりません。
公務員のデザイン・クリエイティブ枠(事務職)の試験って、一般事務の試験よりも簡単なの?
簡単というと語弊がありますが、受験しやすいという意味では挑戦しやすい職種ではあります。
通常の公務員試験は、筆記試験対策に何十科目にも及ぶ試験対策をしなければならないのが一般的です。
ですがデザイン・クリエイティブ枠(事務系)の試験に限って言えば、美大生や社会人からの転職を目指す人も受けやすいよう、面接試験に重点が置かれています。
筆記試験も一般常識や一般知能などを計るSPIに近い試験が導入されている所が多いため、筆記試験対策自体はそこまで労力を必要とするものではありません。
面接試験について言えば、他の職種と同様に配点も重めになっている所が多いです。

公務員のデザイン職試験は、対策するのにどれ位の期間が必要?
公務員試験全般について言えば、筆記試験に多くの時間を割く必要があるので1~2年前位から対策を始めている人が多い印象です。
ただし、公務員のデザイン職試験に限って言えば、筆記試験が軽めの自治体も多いので、人によっては半年前後準備をすれば合格できる人もいるでしょう。
一方、書類選考や面接試験で提示できる作品や実績が無い場合は、実績を作るために1~2年前後の時間が必要となるかも知れません。
また、SPIのような簡易の筆記試験を課すだけの自治体もあれば、他の公務員と同様、何十科目もの試験を課したり、論文試験を課したりする自治体もあります。
そのため、一概にどれ位の期間を取れば合格できるというような基準はありませんが、1年前後の期間を確保しておくと安心でしょう。

公務員のデザイン職試験は、新卒でなくても受験できるの?
公務員試験全般について言えば、新卒であろうが既卒であろうが、年齢要件等の受験資格さえ満たしていれば、何度でも受験することが可能です。
ただし、年齢要件を受験資格に設定している自治体が多いので、自分の年齢が受験資格を満たしているかどうかは必ず確認しておきましょう。
極端な話、年齢制限が30歳までの自治体であれば、大学を22歳で卒業している場合は、8回ほど受験のチャンスがあります。
ただし、その数年間の間に何もしてないと面接試験でどんどん不利になっていくのは言うまでもありません。
逆に、フリーターや無色として過ごしていても、面接官を納得させることができるだけの志望理由があれば合格を狙うことは可能です。
その年に不合格になったら、翌年に試験を受けるときに不利になる?
たとえその年にひどい点数を取ったとしても、翌年にはすべてリセットされて点数が計算されるため、受験の際に不利になることは一切ありません。
そのため、まずはお試しで受験してみて自分の今のレベルを確認することも可能です。
たとえ不合格になったとしても、自分の試験の結果を開示請求できる自治体がほとんですので、積極的に開示請求をおこなって、翌年の試験に向けて備えると良いでしょう。
特に過去問が開示されていない自治体においては不合格になってもいいという覚悟で、どんな試験問題が課されるのかを確認して翌年の合格を目指すという戦略も取れます。
筆記試験や面接試験は必ずスーツを着用して臨むべき?
筆記試験については面接官がその場にいる訳では無いので、清潔感のある格好であれば私服でも問題無いでしょう。
また、あくまでも筆記試験の点数がベースとなるので、服装で落とされるということはありません。
一方の面接試験に関しては、面接試験の場であるということや、あくまでも公務員試験であるということを念頭に置くと、スーツで臨むのが無難です。
デザイン事務所やデザイン制作会社の面接試験では、個性を見るために「私服」を指定されることがありますが、公務員試験で私服を指定されることはありません。(ブログ執筆時、現在)
むしろ面接試験では、TPOをわきまえているという印象を与えるためにもスーツで臨むほうが良いでしょう。

芸大や美大からも公務員のデザイン職に就職する人もいるの?
もちろんです。むしろ、芸大や美大から公務員のデザイン職に就く人は徐々に増えています。
ほんの数年前までは、「芸大や美大を卒業したのになんでわざわざ公務員に?」という風潮が強かったと思います。
というのも、やはりモノづくりをするために芸大や美大に入ったのに、モノづくりとは程遠い公務員を目指すのはどうして?という印象でした。
ですが、今は時代が変わり、デザイン・クリエイティブ枠のような新しい職種が公務員の世界にも誕生しました。
世間の目を気にすることなく、自分が目指したい方向を目指していきましょう!

一般大学からも公務員のデザイン職は目指せる?
こちらも受験資格さえ満たしていれば、公務員のデザイン職を目指すこと自体は可能です。
ただし、美大生のようにポートフォリオに収められるような作品や実績等が少ないと思いますので、受験する前までにそういった実績を作っておく必要があります。
デザイナーのような専門職を目指す訳では無いので、技術面以外でも面接官にアピールできるような材料があれば問題ありません。

公務員のデザイン職を目指すにあたって予備校には通った方がいい?
結論からお伝えすると、どちらでも構いません。
大手予備校で、公務員試験に合格することを目指すための資格試験予備校などがあるようですが…。
老舗の公務員予備校は一般的にな公務員試験に合格させることを目指しているため、公務員のデザイン職の試験対策に特化している訳でありません。
ですが、筆記試験対策や面接試験対策に定評があるが予備校もあるでしょう。
そのため、独学で継続して勉強するのが苦手…という人は検討してみても良いでしょう。

自分にとって縁もゆかりもない自治体を受験しても、合格の可能性はある?
志望理由にもよりますが、縁もゆかりもない自治体であっても、合格の可能性は充分にあります。
- その自治体にしかない特徴
- その自治体でしかできないこと
- 過去の経験からその自治体に自分が惹かれている理由
…etc。
要は、面接官を納得させられるだけの志望理由があれば、どの自治体であっても内定を勝ち取ることは可能です。
ぜひ自分にしか書けない志望理由を掘り下げてみましょう。
筆記試験の数的処理と判断推理などの一般知能分野が苦手です。どうすればいいですか?
わかります。すごくよく分かります。ここは、得意・不得意が特に出やすい領域なので、地道に対策していくしかありません。
数的処理や判断推理などの一般知能分野の試験については言えば、中学受験の算数の問題と似ていると言われることもあります。
また、最近流行りの謎解きゲームのような問題に近いものもあります。
この分野を克服するには、一般的にな筆記試験対策の本を購入するよりも、数的処理と判断推理など一般知能分野に絞って解説された書籍があると良いでしょう。
あるいは、最近では小学生でもわかるように公務員試験で出際される問題に近い、中学受験の算数の解説をしたYouTubeチャンネルなどもあります。
また、公務員試験に絞った通信講座などもありますので、そちらを利用してみても良いでしょう。
これらの教材を駆使して、自分なりに苦手を克服していくのが一番の近道と言えます。

公務員のデザイン職試験に絞った予備校や教材ってあるの?
このブログを執筆している時点では、公務員のデザイン職試験に絞った予備校や教材は、私自身見たことがありません。
ですが、世の中にある教材を組み合わせて「公務員のデザイン職試験対策」に的を絞った対策をすることは可能ですので、安心してください。
また、このブログでも公務員のデザイン職試験を目指す人のサポートをしていますので、足りない情報があればこのブログ読んで補ってもらえばと思います。

公務員のデザイン職試験を受けるときに何か資格があった方がいいの?
結論からお伝えすると、特に資格が無くても問題ありません。
ですが、何かしらの資格を保有していると書類選考や面接試験で目にとまったり、面接の話題に上がったりする可能性があります。
大幅に有利になるということは有りませんが、他の受験生と少しでも差をつけたいということであれば、何かしら履歴書に書ける資格があっても良いでしょう。

デザイン系のソフトはどれくらい使いこなせればいいの?
デザイン系のソフトでいうと、AdobeのIllustratorやPhotoshop、In Designあたりが有名どころでしょうか?
これらのソフトは確かに使いこなせれば便利ではありますが、公務員のデザイン職について言えば、特に使いこなせなくても問題ないでしょう。
というのも、実際に業務をおこなう時は自分以外の専門職のデザイナーやクリエイターと一緒に業務を進めることが一般的。
そのため、自分がデザイン系のソフトを使いこなせなくても、外部のデザイナーやクリエイターがソフトを使いこなせれば何も問題ありません。
ただし、ソフトで出来ることと出来ないことを把握しておかないと、デザイナーやクリエイターに無茶苦茶な要求をしてしまう可能性があります。
そのため、ソフトを使うことでどの程度のことがどこまで出来るかくらいは把握しておくと良いでしょう。

年齢制限の年齢を過ぎてしまったら、もうその職種は受験できないの?
残念ながら、年齢制限の年齢を過ぎてしまった場合はその職種を受験することはできません。
ただし、年齢制限については自治体ごとに年齢制限の幅が異なっていますので、もし一つの自治体で年齢制限の幅を過ぎてしまっていてもすぐに諦めてはいけません。
例えば、年齢制限の上限を27歳までに設定している所もあれば、30歳までに設定している所もあります。
どうしても公務員のデザイン職に就きたいという強い意志がある場合は、自分が受験できる自治体を探してみましょう。

どうしても勉強のモチベーションが上がらない時はどうしたらいいの?
公務員のデザイン職試験に限らず、公務員試験は第一次試験から最終面接までの日程が長期で組まれていることも多く、モチベーションを維持するのが難しいこともあります。
どうしてもモチベーションが上がらない時には、1日何もしないオフの日を作って、その日だけは思い切り羽を伸ばしてみてもいいでしょう。
ですが、それでも思い切り羽を伸ばすのは気になる…ということであれば、美術やデザインと関連した気分転換をおこなうと良いでしょう。
- 絵を描くのが好きならその日だけは絵を描いたり
- 写真を撮るのが好きなら写真を撮ったり
- 美術館に行くのが好きなら美術館巡りをしたり
自分なりにリフレッシュできる手段で、また勉強のモチベーションを上げていくと良いでしょう。


思い立ったら、すぐに公務員のデザイン職試験を受けてみるべし

ここまで、公務員のデザイン職の試験についてQ&Aという形で回答してきました。
いざ公務員のデザイン職試験をうけてみよう!とおもっても、「でも一体何から始めたら…」という人も多いでしょう。
一所懸命自分なりに調べるのも大事ですが、重箱の隅をつつくようなことまでを調べ切るというのは至難の業でもあります。
また、一般的な公務員試験と比べて、公務員のデザイン職試験についての情報はまだまだ少ないというのが現状でしょう。
Q&Aの中でも触れていますが、公務員のデザイン職を含めた公務員試験はすべて新卒であろうが既卒であろうが無料で受験できます。
このブログを読んでいる方には、ぜひ積極的にチャレンジしていってほしいと思います。
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