就職活動を頑張れば頑張るほど、鬱病は悪化するという事態に

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パワハラや過酷な労働条件が原因で、デザイン業界を去ることになった僕は、27歳の時に、無職・実家暮らし・鬱病持ちのニート生活を送ることになってしまいました。

病状はかなり重く、何をするにも億劫で自分の意思とは裏腹に身体も心も全く動く気配がありません。

無理に動かそううとすると、呼吸も心臓も苦しくなり、さらに症状は悪化する状態です。そんな状態で、一日中布団にくるまって、また次の日を迎えるということが何日、何ヶ月も続いていました。

そんな状態で過ごしていると、将来の不安ばかりが自分の中で募っていきます。とりあえず、少しだけ食べる量のご飯を食べて、心療内科から処方された薬を飲み続けるという日々を送っていました。

目次

気持ちばかりが焦って、再度の就職活動へ向けて動きはじめるも…

無職になって程なくして、僕はこのままでは本当に何も出来なくなってしまう。と、考え、荒療治として無理やり資格取得スクールに通うことにしました。

ともかく、家を出るのも精一杯でしたが、家族以外の人と触れる環境を無理やり作り出す必要があると思ったのです。

受講日の当日は、筆記試験対策の講義を受けてなんとか家に帰る。というのが自分のミッションでした。

講義の内容は鬱症状もひどく、ほとんど頭に入ってきていませんでしたが、ともかく家を出て、目的地まで行って、また家に帰る。という、簡単な日常生活ができるのをその時の目標にして通っていました。

毎日心臓は苦しいし、呼吸も浅いし、常にネガティブな感情が自分を覆い尽くしてくるので、毎日毎日がかなり重く、苦しい時間でした。

それでもなんとか、講義の時間を目指して、布団から起き上がって外に出るという訓練を続けていました。

ところが、病状は一向によくなる気配がありません。通院していた心療内科から出る薬の量も増え、ますます回復への道のりが遠ざかります。

この時の僕は、なんとかして再度就職して親や友達の期待に応えないという思いで、動いていました。

頑張れば頑張るほど、病状が悪化していくという事態に

鬱症状がひどい時に無理をすると、益々症状が悪化する。というのは、世間一般的には、今では常識と言える概念かもしれません。

ただ、渦中にいる本人にとっては、無理をせずに頑張らないで過ごすということが、どういう事なのか全く理解できないでいました。

ただ何もせずに布団の中にいるだけでは、気持ちばかりが焦って、どんどん負の感情が増大していきます。

「がんばらないで過ごすって、どうやるんだっけ???」

これは、常にグラフィックデザイナーを目指し続けて頑張ってきた過去の自分の中に全くない概念でした。一度デザイナーとして就職してからも、実務経験を積むまではデザイナーでいることを諦めない!という思いで踏ん張ってきましたが…

過酷な労働条件の前に、なす術もなくポッキリと自分の心が折れてしまった訳です。

目の前のことに没頭すれば、この苦しい状態から脱却できるかも。

と、絵を描こうとしたり、ものづくりにトライしようとすると、デザイナーとして働いていた時のパワハラの記憶が鮮烈にフラッシュバックし、過呼吸になる手前まで苦しくなったこともありました。

まさに八方塞がりの状態です。こんな状態で自分はこの先、本当に生きていけるのだろうか?好きだったことをやろうとすると、身体も心も全力で僕を拒絶する反応が出てしまいます。

あんなに好きだったデザインのことも、考えるだけで息が苦しくなり、白紙の紙を見るだけでも恐怖を感じるようになってしまいました。自分が好きだったことが出来なくなるというのも初めての経験でした。

悲しくて悲しくて、生きていく力を失うとはこういうことを言うんだろうな。ということを人生で初めて経験することになりました。

デザイナーを職業としていたことの弊害

ここで、クリエイティブ業界でなぜこうも、心の病にかかる人が多いのか考えて見たいと思います。

クリエイティブなお仕事というのは、デザイナーだけでなく、ほとんどの職種が自分の感性を軸に仕事をすることになると思います。

歌手や俳優、アーティストや漫画家、小説家、アニメーターなどなど。いわゆるクリエティブ職として働いている方は、他の人よりも感受性が豊かとも言えます。

自分も含めて、そうでないと、その時感じた喜怒哀楽の表現を形に落とし込むことができないからというのがその理由だと思います。

そうすると、嬉しいことも、楽しいことも、つらいことも、苦しいことも、全て自分の心で受け止めることになります。そうでなければ、その瞬間の感情を表現した作品を作り出すことができないからです。

つらいことや悲しいことを感じた時、その時の心情を表現した作品を作り出すためには、一度その過去の感情を自分の中から探し出し、アウトプットする必要があります。

そして、その作品を作り終えた時にまた、普段の自分の感情、つまり、ニュートラルで正常な感情へ戻ってくる必要があります。

ところが一度、負の感情を探しに行った後、その状態が長期間継続してしまうと、その継続状態が普段の自分の感情のスタンダードとなってしまい、正常でニュートラルな感情に戻ってくることができなくなってしまうのです。

おそらく、自分がパワハラを受けているときは、毎日朝から晩まで恐怖に怯えながら、来る日も来る日も、その感情を身に纏い、会社に無理して通い続けてしまった結果。ニュートラルで正常な感情へ戻ってくることができなくなってしまったと言えます。

そうすると、常に負の感情が渦巻いている状態が自分のスタンダードな感情となってしまい、鬱状態に陥ってしまったのだと思います。

今でこそ、こうして冷静に自分の状態を分析できていますが、このように自分自身のことを冷静に分析できるようになるまでに、10年以上の月日を費やすことになってしまいました。

ともかく、鬱状態の時には正常な判断も思考もできないので、まず自分の感情をニュートラルに戻すことを最優先に考える必要があったのですが。

再就職を急ぐあまり、頑張れば頑張るほど、心と身体が拒絶反応を起こし、病状がますます悪化するというスパイラルに陥っていたのです。

クリエイティブな仕事をするということは、そういった危険なリスクと隣り合わせであると認識している人は、もしかしたら少ないのかも知れません。

クリエイティブ職と聞くと、一般的には楽しくて面白いお仕事というイメージの方が強い気がします。もちろんその認識で間違っていないのですが、それは楽しく継続して作品を作り続けることができれば…という条件付きだと思うのです。

負の感情と相反する性質があると仮定すれば、正の感情を継続し続けることができれば、それが自分の感情のスタンダードとなるはずです。

うまく作用すれば、仕事が楽しくて楽しくて仕方ないというスパイラルになる訳です。

要するに、自分の場合はそれが逆に作用してしまったということです。

鬱症状がひどいときは、勇気を持って「休む」という決断を

離職してからすぐに、再度の就職活動を意識して無理して動き始めた、というのは正に、当時の自分の失敗だったと言わざるを得ません。

気持ちが焦るのは致し方ないとしても、鬱症状がもう少し回復するまでは決して無理をしてはいけなかったのです。

お陰で、病状はますます悪化し、心療内科で処方される薬がますます増えてしまうという結果になってしまいました。

それだけでなく、さらに就職活動自体が長引く結果となり、ますます再就職への道は遠ざかっていきました。

このブログをたまたま訪れてくれた方には、僕と同じ失敗を繰り返して欲しくありません。もし、同じように鬱状態にある方は、決して無理をせず、まずは病状の回復につとめて欲しいと思います。

普通の風邪と違って、心の病の方は、回復するまでにかなりの時間を要します。

半年で治るなら、それはとても回復の早い方だと思います。僕はきちんと健康に元の生活に近い状態ができるようになるまでに、3年弱の時間を要することになってしまいました。

すごく大変なことかも知れませんが、まずは同じ時間に寝て、同じ時間に起きるということを習慣にするだけで、だいぶ症状に変化が現れると思います。

ともかく、ある程度、治るまで。最低でも処方される薬の量が最低限の量になるまで。自分自身で症状が軽くなったと実感するまでは、決して無理はしないで欲しいと思います。

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この記事を書いた人

一組織の中で、孤軍奮闘する元デザイナー事務員。一般大学の文系学部を卒業した後、デザイン専門学校に進学。

卒業と同時に広告デザイナーになるも理想と現実のギャップにさいなまれ、方向転換。

その後、「安定した生活」と「自分のやりたいこと」の両方を叶え、一組織の事務員として過ごしながら数々のデザインコンテストに入賞し、現在に至る。

このブログでは、デザイナー&事務員の両方を経験している元デザイナーが一般社会で楽しみながらデザインの力を活かす術を伝授。

その中でもワークライフバランスの最高峰に位置する、公務員のデザイン職を目指す人の合格までの道のりをメインでサポート。
サブテーマとしては、生活を安定させながらやりたいことを叶える事務職の仕事についても触れています。

手堅く安定した本業を維持しながら、デザインの世界にもたずさわりたいという欲張りな人に向けて、日々役立つ内容を発信していきます。(学生も勿論OK!)

【デザイナーを辞めてから受賞したコンテスト】
・写真コンテスト(プリント部門) 入選
・雑誌の表紙絵デザインコンテスト 優秀賞
・キャラクター塗り絵イラストコンテスト 入賞
・ショート動画コンテスト 佳作
…他、多数

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