このホームページを訪れてくれる人の多くは公務員のデザイン職を目指している人が多いと思います。
ですが、公務員のデザイン職としての採用は毎年限られた自治体でしか募集がおこなわれていない上、採用人数もごく少数です。
さらに年齢制限が設けられている自治体も多く、就職したくても中々就職できないという現状があります。
そこで、今回は準公務員と呼ばれることの多い公益財団法人の職員採用について見ていきます。
この記事で取り上げるのは、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団という組織の職員採用情報についてです。
【横浜×アート】を架け橋に事業を展開している組織で、令和5年度は一般事務職で5名ほどの人材を採用していました。
事務職以外にも、事業企画制作、学芸員、エデュケーターなどの職種を募集しているので、こまめに公式ホームページの求人情報をチェックしておきましょう。
横浜市芸術文化振興財団ってどんな組織?
はじめに、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団がどのような組織であるかという点に触れておきましょう。
公式ホームページを見てみると、最初に以下のようなミッションが記載されています。
わたしたちは市民とともに
アートの力を活かすことにより横浜の魅力を高め
心豊かで活力に満ちた市民生活の実現を目指します
引用:公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団:組織概要 (yafjp.org)
ざっくりと、アートの力で横浜市の魅力を高めて人々の生活に潤いを与えようというニュアンスのことが書かれています。
また、こちらの財団が運営する代表的な運用施設としては、以下のようなものがあります。
- 横浜美術館
- 横浜みなとみらいホール
- 横浜能楽堂
- 横浜にぎわい座
- 横浜赤レンガ倉庫1号館
- …etc
このブログの読者も一度は見たり、聞いたり、訪れたことのある場所だったりするのではないでしょうか?
もし、こんなオシャレな場所で職員として働けたらとても楽しそうですね。
横浜市芸術文化振興財団の職員採用試験について
それでは早速、横浜市芸術文化振興財団の職員採用試験について見ていきましょう。
例年通りであれば、毎年9月下旬頃~10月上旬頃にかけて応募(エントリー)期間が設定されています。
募集職種については以下の4つの職種が対象となります。
- 一般事務
- 事業企画制作
- 学芸員
- エデュケーター
毎年すべての職種を採用しているかどうか現段階では不明ですので、秋口のエントリー期間の前に公式ホームページを必ずチェックするようにしましょう。
過去の採用事例を見ると、どの職種も若干名の募集で試験自体も第一次試験から第四次試験までおこなわれます。
試験期間としては他の公務員のデザイン職採用試験と同じくらいのスパンを取っています。
横浜市芸術文化振興財団の手続きについて
基本的には、公式ホームページの職員採用ページのエントリーフォームから、エントリーをおこないます。
そのため、パソコンやスマホ、インターネットが繋がる環境は事前に整えておきましょう。
過去の募集要項を見ても、郵送で対応する旨等の文言が無いため、PCでの応募を前提としているようです。
もしかしたら、問い合わせしたら郵送応募などで対応してくれるかも知れませんが…。
採用担当者の負担になる可能性が高いので、基本的には普段使っているPCやスマホから応募する方が良いでしょう。
横浜市芸術文化振興財団の第一次試験について
それぞれの職種で基本的には履歴書や志望動機など共通する項目もありますが、職種によって微妙にエントリーの際の課題が異なります。
過去に募集された令和5年度の募集要項をまとめておきましたので、エントリー前の対策をしっかりと練っておきましょう。
一般事務
履歴 | ⽒名、⽣年⽉⽇、連絡先、学歴、職歴、資格、顔写真 ※顔写真は第3次試験から本⼈確認で必須 | テキスト⼊⼒ 顔写真:過去3か⽉以内に撮影したもの。正⾯向き、無帽、概ね胸から上、無背景、サイズは縦4:横3の⽐率で480×360px以下を推奨、3MBまでのJPEG、エントリーフォームの「顔写真」から登録 |
志望動機 | わたしたちの「ミッション」「ビジョン」「バリュー」(※https://recruit.yafjp.org/ 参照)等の実現に向け、ご⾃分の経歴、実績をどのように活かしたいかを盛り込んでください。 | テキスト⼊⼒ 800⽂字以上1000⽂字以内 |
事業企画制作
履歴 | ⽒名、⽣年⽉⽇、連絡先、学歴、職歴、資格、顔写真 ※顔写真は第3次試験から本⼈確認で必須 | テキスト⼊⼒ 顔写真:過去3か⽉以内に撮影したもの。正⾯向き、無帽、概ね胸から上、無背景、サイズは縦4:横3の⽐率で480×360px以下を推奨、3MBまでのJPEG、エントリーフォームの「顔写真」から登録 |
志望動機 | わたしたちの「ミッション」「ビジョン」「バリュー」(※https://recruit.yafjp.org/ 参照)等の実現に向け、ご⾃分の経歴、実績をどのように活かしたいかを盛り込んでください。 | テキスト⼊⼒ 800⽂字以上1000⽂字以内 |
学芸員
履歴 | ⽒名、⽣年⽉⽇、連絡先、学歴、職歴、資格、顔写真(第3次試験から本⼈確認で必須)等 ※⽇本語以外の語学について、資格、検定結果等で特記すべきものがあれば資格欄に記載のこと | テキスト⼊⼒ 顔写真:過去3か⽉以内に撮影したもの。正⾯向き、無帽、概ね胸から上、無背景、サイズは縦4:横3の⽐率で480×360px以下を推奨、3MBまでのJPEG、エントリーフォームの「顔写真」 から登録 |
業績一覧 | これまでの発表論⽂、職務実績や研究実績を⼀覧にまとめたもの(ポートフォリ オ)担当した展覧会タイトル、発表論⽂タイトルを記載 | テキスト⼊⼒ 800⽂字以上、1000⽂字以内 |
発表論文 | 業績⼀覧に記載した論⽂のうち代表的なものを1つ | ・エントリーフォームの「添付ファイル」欄に1ファイル毎に登録 ・5ファイルまで。1ファイルの容量上限は3MB。 ・形式:PDF、MicrosoftWord、MicrosoftPowerPoint、JPEG ・ファイル名:ご⾃分の⽒名_連番(1から5) 例)⽒名が濱洋⼦の場合「濱洋⼦_1」、「濱洋⼦_2」 |
志望動機 | テキスト⼊⼒ 200⽂字以上400⽂字以内 | |
小論文 | 「これからの社会における美術館の存在意義」について、⾃⾝の経験を交えて記述してください。 | テキスト⼊⼒ 800⽂字以上、1000⽂字以内 |
エデュケーター
履歴 | ⽒名、⽣年⽉⽇、連絡先、学歴、職歴、資格、顔写真(第3次試験から本⼈確認で必須)等 ※⽇本語以外の語学について、資格、検定結果等で特記すべきものがあれば資格欄に記載のこと | テキスト⼊⼒ 顔写真:過去3か⽉以内に撮影したもの。正⾯向き、無帽、概ね胸から上、無背景、サイズは縦4:横3の⽐率で480×360px以下を推奨、3MBまでのJPEG、エントリーフォームの「顔写真」 から登録 |
業績一覧 | これまでの発表論⽂、職務実績や研究実績を⼀覧にまとめたもの(ポートフォリ オ)担当した展覧会タイトル、発表論⽂タイトルを記載 | テキスト⼊⼒ 800⽂字以上、1000⽂字以内 |
発表論文 | 業績⼀覧に記載した論⽂のうち代表的なものを1つ | ・エントリーフォームの「添付ファイル」欄に1ファイル毎に登録 ・5ファイルまで。1ファイルの容量上限は3MB。 ・形式:PDF、MicrosoftWord、MicrosoftPowerPoint、JPEG ・ファイル名:ご⾃分の⽒名_連番(1から5) 例)⽒名が濱洋⼦の場合「濱洋⼦_1」、「濱洋⼦_2」 |
志望動機 | テキスト⼊⼒ 200⽂字以上400⽂字以内 | |
小論文 | 「これからの社会における美術館の存在意義」について、⾃⾝の経験を交えて記述してください。 | テキスト⼊⼒ 800⽂字以上、1000⽂字以内 |
こうしてみると、第一次試験でかなりふるいにかけられるようですね。
まずは、第一次試験を突破しないと筆記試験や面接にも進めません。
ここは確実に突破できるよう対策をしっかりと練って、可能であれば事前に身近な友人や知人、就職アドバイザーの人にも添削してもらうようにしましょう。
横浜市芸術文化振興財団の第二次試験について
それぞれの職種の第二次試験についても見ておきましょう。
一般事務
適性検査 | 基礎能⼒と事務能⼒をはかるもの(100分程度) ※会場:全国のテストセンター |
事業企画制作
適性検査 | 基礎能⼒と事務能⼒をはかるもの(100分程度) ※会場:全国のテストセンター |
学芸員
適性検査 | 基礎能⼒と事務能⼒をはかるもの(100分程度) ※会場:全国のテストセンター |
専門試験(記述) | 1 英語(60分) 2 美術史・美学・美術館学等(60分) ※会場:横浜市中区 |
エデュケーター
エデュケーターは区分Aと区分Bに分かれており、どちらの区分で受験するかによって第二次試験の内容が異なります。
区分Aと区分Bの違いは以下の通りです。
区分A | 区分B |
1. 大学院で絵画、版画、彫刻、工芸もしくはこれに類する分野を専攻・研究し、美術制作に関する知識と技術を有しており、大学院修士課程(又はそれと同等と認められるもの)を修了又は修了見込みの人 2. 教員免許(美術)を有する又は取得見込みの人、もしくは造形指導の経験を有する人 3. 日本語を母国語又はそれに準ずる国語とする人 4. 英語で実務的な連絡業務や簡単な日常会話ができる人 5. 美術以外の分野や社会の状況にも理解と関心を持ち、柔軟かつ積極的に職務に取り組む姿勢がある人 6. わたしたちの「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」に共感し、その実現に向けて、高い意欲と情熱を持ち、積極的に行動できる人 | 1. 大学院で、美術史または美学・芸術学、教育学もしくはこれに類する分野を専攻し、大学院修士課程(又はそれと同等と認められるもの)を修了又は修了見込みの人 2. 博物館法に規定する学芸員資格を有する又は令和6年3月末までに取得見込みの人 3. 日本語を母国語又はそれに準ずる国語とする人 4. 英語で実務的な連絡業務、調査研究、日常会話ができる人 5. 美術以外の分野や社会の状況にも理解と関心を持ち、柔軟かつ積極的に職務に取り組む姿勢がある人 6. わたしたちの「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」に共感し、その実現に向けて、高い意欲と情熱を持ち、積極的に行動できる人 |
※なお、エントリーは一つの職種に限られ、どちらかの区分を選ぶことになります。
適性検査 | 基礎能⼒と事務能⼒をはかるもの(100分程度) ※会場:全国のテストセンター |
専門試験(区分A) | 1 英語(記述) (60分) 2 記述及び造形実技(90分) ※会場:横浜市中区 |
専門試験(区分B) | 1 英語(記述) (60分) 2 記述(60分) ※会場:横浜市中区 |
選ぶ職種によって、第二次試験の内容は若干異なります。
自分の目指す職種に合わせて、筆記試験対策をしておきましょう。
横浜市芸術文化振興財団の第三次試験&第四次試験について
第三次試験&第四次試験については、すべての職種において「個別・対面」での面接試験となっています。
第三次試験が一次面接、第二次試験が二次面接で実質の最終面接という構成です。
なお、第三次試験の一次面接の前に、どの職種においてもWebでパーソナリティ診断を受検するフローとなっています。(20分程度)
横浜市芸術文化振興財団の対策は事前のしっかりとした準備が大切
公益財団法人の試験とは言え、公務員のデザイン職と割と似ている部分があったのではないでしょうか?
エントリーから筆記試験、面接試験など、一般的な就職活動の対策、自己PRや志望動機などをしっかりと練っておけば合格する可能性は充分にあります。
横浜で働いてみたい人、横浜に住んでいる人、これから横浜へ引っ越そうとしている人など、【横浜×アート】を目標にする人には打ってつけの就職先となるでしょう。
ぜひ、自分でも横浜の街並みや文化施設を調べてみて、採用試験が気になる人はこまめに公式ホームページもチェックしておくと良いでしょう!
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