デザイン力だけではダメ?公務員のデザイン職に求められる本当の資質

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「デザインには自信がある。だから、公務員のデザイン職もきっと受かるはず。」

そんな期待を抱いて試験に挑み、結果に肩を落とした──そんな人は少なくありません。

なぜ、デザインスキルがあっても採用されないのか?

その理由は、公務員のデザイン職に求められるものが、「作品のクオリティ」だけではないからです。

公務員の現場では、デザイン力に加えて、組織内の調整力、公共性への理解、そして自ら課題を解決する主体性が問われます。

この記事では、公務員のデザイン職に本当に必要な資質と、現場で活躍するために今から意識すべきポイントを、具体的に解説します。

未来の自分のために、今ここでリアルな現実を知り、確かな準備をしていきましょう。


目次

デザイン力だけでは通用しない?公務員のデザイン職の採用現場

公務員デザイン職の採用試験では、筆記試験や面接に加えて、ポートフォリオ審査なども行われます。

【美大に行きたかった人も必見!デザイン・クリエイティブ枠の採用とは?】 を読めば、より具体的な採用枠のイメージを掴むことができるでしょう。

民間企業では、ポートフォリオの完成度が採用に大きく影響するケースも少なくありません。

しかし、公務員のデザイン職では事情が異なります。

確かに、一定以上のデザインスキルは必要です。しかしそれは、単なる「スタートライン」でしかありません。

公務員組織の中で成果を出すためには、スキル以外の資質が強く求められています。

ここでは、公務員のデザイン職ならではの採用基準について掘り下げていきます。

なぜスキルだけではダメなのか

公務員の現場は、多くの関係部署や市民と連携しながらプロジェクトを進める環境です。

担当課だけで完結する仕事はほぼ存在せず、常に多方向の調整を求められます。

たとえば、市民向けパンフレットを作成する場合、

  • 複数課から意見を集め
  • 利害関係の調整
  • 市民目線でわかりやすく仕上げる

というプロセスが必要になります。

ここで必要なのは、美しいだけのデザインではなく、周囲と連携しながら現実的に落としどころを作る力です。

試験でも、単なる作品提出だけでなく、プレゼンや意図説明を通して、こうした「協働力」がしっかり見られています。

民間デザイナーとの違い

民間デザイナーの仕事は、ターゲット層に刺さるクリエイティブを提供し、売上やブランド力を高めることです。

時に尖った表現や目を引くデザインも歓迎されます。

しかし、公務員のデザイン職は違います。求められるのは、以下のようなデザインです。

  • 誰にでもわかりやすい
  • 誰にとっても公平
  • 地域社会全体に利益をもたらす

色使い、言葉選び、レイアウトに至るまで、社会的配慮が不可欠。

単なるオシャレさや個性ではなく、「公共性」というフィルターを通した表現力が問われます。

民間と公務員のデザイン職では求められる役割が大きく異なります。

詳しくは【元・民間デザイナーの私が、公務員のデザイン職を勧める理由】でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。


公務員のデザイン職に求められる本当の資質とは?

公務員デザイン職の試験や現場で重視されるのは、スキル以外の「人間力」です。ここでは、具体的にどんな力が求められているのかを整理していきます。

コミュニケーション能力

デザイン職といえど、孤独な制作作業だけでは務まりません。行政組織では、デザインを専門としない人々と協働する場面が非常に多くあります。

そのため、専門用語を避け、相手の立場に立った説明ができるか。また、複数の意見をうまくまとめ、全員が納得できる形に導く力が重要です。

単に「作る」だけでなく、周囲を巻き込みながら進める推進力が求められます。

公共性への理解

自治体の広報物は、すべての市民に向けたメッセージです。情報弱者を含め、誰もが理解できる・安心できる表現が求められます。

配色の配慮、フォントの可読性、多様性への配慮──こうした細かな配慮が当たり前にできることが、公務員のデザイン職には必須です。

「自分の表現」ではなく、社会全体のための表現へと意識を転換できるかがカギとなります。

自律的な問題解決力

行政の現場では、詳細な指示は基本的にありません。「こういう課題があるけど、どうすべきか考えて」と、ゼロから考え抜く力が求められます。

単なる「指示待ち」ではなく、

  • 課題を整理し
  • 複数の選択肢を提示し
  • 関係者を巻き込みながら実現する

こうした主体的な動きができるかどうかが、現場での評価を大きく左右します。

長期的視点で地域に関わる意欲

単発のプロジェクトではなく、地域ブランド構築や観光戦略、文化振興など、数年単位の長期プロジェクトにも関わるのが公務員のデザイン職です。

短期的な成果だけを求めるのではなく、地域社会の未来に貢献する意識を持って働けるか。

この視点の有無が、採用段階から強く見られています。


公務員のデザイン職で活躍できる人とは?

公務員のデザイン職で本当に活躍する人には、明確な共通点があります。

まず、バランス型のデザイナーであること。

デザイン力だけでなく、調整力、提案力、協働力をバランスよく発揮できる人は、組織内で自然と信頼を集めます。

また、実行重視型のマインドも不可欠です。

理想の完成度を追い求めるだけでなく、限られたリソースの中で最善を尽くし、スピード感を持って成果を出せる人。

現実的な対応力を持つ人が、行政現場では確実に評価されます。

完璧な作品ではなく、組織や地域全体にとって「今必要なもの」を形にできる力。これこそが、公務員のデザイン職で生き残るための武器です。


これから公務員のデザイン職を目指すあなたへ

公務員のデザイン職では、単なるスキル勝負だけではありません。

求められるのは、デザイン力に加え、組織内で調整・提案し、公共性を理解し、主体的に行動できる総合力です。

目の前の制作物だけでなく、地域の未来にまで視野を広げ、行動できるか。あなた自身の専門性を「公共のため」に昇華できるか。

それが、採用試験においても、現場においても強く問われます。

公務員デザイン職を目指すなら、スキル磨きだけでなく、試験に向けた総合的な準備も重要です。

【公務員のデザイン職に就くために予備校は必要?⇒結論は「人による」】も参考に、自分に合った学び方を検討してみてください。

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この記事を書いた人

一組織の中で、孤軍奮闘する元デザイナー事務員。一般大学の文系学部を卒業した後、デザイン専門学校に進学。

卒業と同時に広告デザイナーになるも理想と現実のギャップにさいなまれ、方向転換。

その後、「安定した生活」と「自分のやりたいこと」の両方を叶え、一組織の事務員として過ごしながら数々のデザインコンテストに入賞し、現在に至る。

このブログでは、デザイナー&事務員の両方を経験している元デザイナーが一般社会で楽しみながらデザインの力を活かす術を伝授。

その中でもワークライフバランスの最高峰に位置する、公務員のデザイン職を目指す人の合格までの道のりをメインでサポート。
サブテーマとしては、生活を安定させながらやりたいことを叶える事務職の仕事についても触れています。

手堅く安定した本業を維持しながら、デザインの世界にもたずさわりたいという欲張りな人に向けて、日々役立つ内容を発信していきます。(学生も勿論OK!)

【デザイナーを辞めてから受賞したコンテスト】
・写真コンテスト(プリント部門) 入選
・雑誌の表紙絵デザインコンテスト 優秀賞
・キャラクター塗り絵イラストコンテスト 入賞
・ショート動画コンテスト 佳作
…他、多数

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