このブログでは、公務員のデザイン職に就くことを目的に執筆をおこなっていますが、遂に山梨県で公務員のデザイン職の募集が始まりました。
山梨県といえば、富士山やぶどう、ワインや温泉など様々な観光名所があることで有名です。
富士山や河口湖、富士急ハイランドに旅行や観光で訪れたことがある人も多いでしょう。
2024年11月現在、募集している職種は「行政(デザイン)」と「学芸員(デザイン)」の2つの職種となっています。
募集の背景には、美術館に附属する全国初の総合型デザインセンターを2024年11月に県庁防災新館に整備するという経緯がありました。
もし少しでも興味を持った人がいれば、ぜひ採用試験に向けて準備を進めていきましょう。
観光やぶどう狩りで有名な、山梨県ってどんな街??
まずは簡単に山梨県がどんな街かについて触れておきましょう。山梨県といえば、ワインやぶどう、富士山や南アルプスの山々を思い出す人が多いかと思います。
やまなし暮らし支援センターのホームページによると、山梨県について以下のような記述があります。
山梨県は日本列島のほぼ中央に位置し、東京都、神奈川県、静岡県、長野県、埼玉県に囲まれた海のない内陸県です。面積は日本の総面積の約100分の1にあたり、県土の約78%を森林が占め、富士山、八ヶ岳、南アルプスなどの自然豊かな観光資源に恵まれています。
また、豊富な水と太陽の恵みが育んださまざまな農産物、ワインやジュエリー、絹織物など優れた県産品が「やまなしブランド」として、国内外で認知されています。
引用:山梨県について/やまなし暮らし支援センター
令和6年8月1日現在の山梨県の推計人口は約80万人で、富士山や八ヶ岳、南アルプスなど、多くの高い山にかこまれている盆地となっています。
ふるさと納税では、シャインマスカットや桃、富士急ハイランドのフリーパス、老舗ホテルの宿泊ギフトなどが返礼品として用意されています。
また、画家ミレーの代表作「種をまく人」や「落ち穂拾い、夏」など合計約70点のミレー作品を収蔵した山梨県立美術館が楽しめます。
山梨県職員(一般任期付職員)選考採用試験について
さて。ここからは、いよいよ山梨県で採用をおこなっている「行政(デザイン)」と「学芸員(デザイン)」の2つの職種について見ていきます。
令和6年度の受付期間は以下の通り。
このブログの執筆時点ではまだ応募に間に合いますので、気になる方は必ず募集要項をチェックしておきましょう。
ちなみに、選考採用試験案内には以下のような記載があります。
山梨県では、デザイン思考を活用した政策形成などにより、社会課題の解決やイノベーションの創出を
図るとともに、アートと結びついた洗練されたデザインを生み出す支援として、美術館に附属する全国初
の総合型デザインセンターを、本年11月に県庁防災新館に整備します。
本センターはデザイン思考を県内に波及させていくハブとなり、デザインの力で各産業の高付加価値化
を推進するとともに、地域の活性化や社会課題の解決を図っていきます。
今後、これらの取り組みを進めていくため、次のとおり任期付職員の募集を行います。
引用:山梨県/令和6年度山梨県職員(一般任期付職員)選考採用試験【行政(デザイン)】のお知らせ
引用:山梨県/令和6年度山梨県職員(一般任期付職員)選考採用試験【学芸員(デザイン)】のお知らせ
いずれの職種も、地域の活性化や社会課題をデザインの力で解決していくための職種となっています。
「行政(デザイン)」の採用試験について
令和6年度の「行政(デザイン)」の採用予定人員は1名ということでかなりの狭き門です。
ただ、特別な資格が必要な訳ではないので、ある程度実務経験のある人なら充分に受かる可能性はあります。
試験職種 | 採用予定人員 | 勤務場所 | 任期 |
行政 (デザイン) | 1名 | 山梨県立美術館附属デザインセンター (山梨県立美術館デザイン課) 山梨県庁防災新館2階 | 令和7年4月1日から令和10年3月31日(3年間) |
勤務場所は、山梨県立美術館附属のデザインセンターで、任期は3年間となっています。
職務内容
「行政(デザイン)」の職務内容ついても見ていきましょう。
- 政策デザイン推進事業…施策の立案やコンセプト、運営等にデザインの視点を加えることで施策を磨き上げ、本来の魅力や価値、成果を更に高める。
- 地域デザイン推進事業…地域資源や産業、技術、人材を結び付け、新たな活用方法を見出し、地域活性化を図る。
- 商品開発・プロモーション支援…企業の商品開発やプロモーション活動への支援
- 大学との商品開発事業…多摩美術大学と連携し、企業の商品開発を支援
- ネットワーク形成・コミュニティ創出…デザイナー等のネットワークを構築し、(1)~(4)へ活用。定期的な学びの機会により新たなコミュニティを創出する。
上記職務内容について見てわかる通り、「行政(デザイン)」に関する業務は、自らがデザイナーとして活躍するのではありません。
デザインの視点を取り入れながら、行政の施策を展開していくという表現が分かりやすいでしょうか。
そのため、求められる資質についてはモノづくりをメインとするデザイナーのような職種とは若干ことなります。
求められる資質について
具体的には以下のような資質が求められることになります。
- 本県デザイン施策等の企画・立案ができる能力を有すること
- ネットワーク形成やコミュニティ創出に必要な高いコミュニケーション能力を有すること
- 行政に求められる公平性にも留意した適切なバランス感覚を有すること
見てわかる通り、純粋なデザイナーに求められる「手先の器用さ」や「アイデア」といった資質ではなく、企画力や高いコミュニケーション能力が重要と言えるでしょう。
試験の方法
試験の方法については第1次選考と第2次選考に分かれていますが、提出書類の中に小論文の課題があります。
区分 | 時期 | 内容 |
第1次選考(書類選考) | 令和6年12月下旬 | 提出された書類に基づき資格要件、経歴、小論文の内容について審査。 |
第2次選考(人物考査) | 令和7年1月下旬 | 公務員として職務遂行に必要な素質及び適性について個別面接。 |
他の自治体と異なり、比較的ウェイトの重い筆記試験が設定されていないので受けやすい試験となっています。
第1次選考の申込書類について
ここからは、第1次選考の申込書類について確認してきます。
- 山梨県職員(一般任期付職員)選考採用試験申込書(様式第1号)
- 履歴書(様式第2号) ※履歴書には、申込前6か月以内に撮影した写真(タテ4㎝×ヨコ3㎝、上半身脱帽、正面向きのもの)を貼付
- 小論文(様式第3号)
- 職務経歴書(様式第4号)
- 最終学校等の卒業証明書及び成績証明書
「行政(デザイン)」の第1次選考では、この5つの書類を「持参」or「郵送」で期日までに提出する必要があります。
様式第1号~第4号までの書式は、山梨県の採用ホームページからすぐにダウンロードできるので必ずチェックしておきましょう。
小論文(様式第3号)について
履歴書や職務経歴書等の一般的な書類については就職活動や転職活動で何度も書いたことがあると思います。
ただ、様式第3号の小論文については、初めて目にする方もいると思いますので少し触れておきましょう。
令和6年度の小論文のテーマは以下の通り。
2,000字以内ということなので、400字詰めの原稿用紙だと5枚程度の記述が必要となります。
もちろん行き当たりばったりで記述することはできません。
山梨県のホームページから地域課題や行政政策などを調べて具体的な課題解決の方法を展開していくことになるでしょう。
ただそこまで身構える必要はなく、2,000字程度であれば小論文対策の書籍が1冊あれば充分でしょう。
合格発表について
「行政(デザイン)」の合格発表のスケジュールは以下の通り。
区分 | 時期 | 内容 |
第1次選考(書類選考) | 令和7年1月上旬 | 選考結果を申込者全員に書面で郵送により通知 |
第2次選考(人物考査) | 令和7年2月上旬 | 選考結果を申込者全員に書面で郵送により通知 |
スケジュールを見ると、選考結果はすべて郵送で来ます。
「学芸員(デザイン)」の採用試験について
令和6年度の「学芸員(デザイン)」の採用予定人員は「行政(デザイン)」同様1名ですが、こちらの職種は「学芸員」の資格が必須となります。
試験職種 | 採用予定人員 | 勤務場所 | 任期 |
学芸員 (デザイン) | 1名 | 山梨県立美術館附属デザインセンター (山梨県立美術館デザイン課) 山梨県庁防災新館2階 | 令和7年4月1日から令和10年3月31日(3年間) |
勤務場所は、山梨県立美術館附属のデザインセンターで、任期は3年間となっています。
職務内容
「学芸員(デザイン)」の職務内容ついても見ていきましょう。
- デザイン展開催…セレクション展や企画展の企画、開催
- 地域デザイン推進事業…地域資源や産業、技術、人材を結び付け、新たな活用方法を見出し、地域活性化を図る。
- 大学との商品開発事業…多摩美術大学と連携し、企業の商品開発を支援
- デザインリテラシー向上事業…児童・生徒向けワークショップの企画・開催、教育プログラムの開発
- ネットワーク形成・コミュニティ創出…デザイナー等のネットワークを構築し、(1)~(4)へ活用。定期的な学びの機会により新たなコミュニティを創出する。
上記職務内容について見てわかる通り、「学芸員(デザイン)」に関する業務は、ややデザイナーの視点に立った業務内容となっています。
専門的な知識を持った学芸員であれば、よりデザイン的な視点で展覧会を開催したり、デザインリテラシー向上事業に貢献したりできるでしょう。
求められる資質について
具体的には以下のような資質が求められることになります。
- 本県デザイン施策等の企画・立案ができる能力を有すること
- ネットワーク形成やコミュニティ創出に必要な高いコミュニケーション能力を有すること
- 行政に求められる公平性にも留意した適切なバランス感覚を有すること
こちらの資質については、「行政(デザイン)」同様の内容となっています。
やはりクリエイターのような「手先の器用さ」や「アイデア」といった資質ではなく、企画力や高いコミュニケーション能力が重宝されていますね。
もちろん、絵がうまいことや、デザイン能力があることはプラスアルファの要素として働くので、大事な素養の一つです。
試験の方法
試験の方法については「行政(デザイン)」と同様、第1次選考と第2次選考に分かれています。
また、提出書類の中に小論文の課題があるのも同様です。
区分 | 時期 | 内容 |
第1次選考 (書類選考) | 令和6年12月下旬 | 提出された書類に基づき資格要件、経歴、小論文の内容について審査。 |
第2次選考 (人物考査) | 令和7年1月下旬 | 公務員として職務遂行に必要な素質及び適性について個別面接。 |
「行政(デザイン)」と同様、重い筆記試験が設定されていないので受けやすい試験となっています。
第1次選考の申込書類について
ここからは、第1次選考の申込書類について確認してきます。
- 山梨県職員(一般任期付職員)選考採用試験申込書(様式第1号)
- 履歴書(様式第2号) ※履歴書には、申込前6か月以内に撮影した写真(タテ4㎝×ヨコ3㎝、上半身脱帽、正面向きのもの)を貼付
- 小論文(様式第3号)
- 職務経歴書(様式第4号)
- 最終学校等の卒業証明書及び成績証明書
- 学芸員資格の取得を証明する書類(資格取得見込みの方はそれを証明する書類)。博物館法第5条第1項第1号の場合は当該単位取得証明書でも可
さきほどの、「行政(デザイン)」と提出書類が酷似していますが、③の小論分のテーマが異なること、学芸員資格が必要となる点に違いがあります。
「学芸員(デザイン)」の第1次選考では、この6つの書類を「持参」or「郵送」で期日までに提出する必要があります。
「行政(デザイン)」と同様、様式第1号~第4号までの書式は、山梨県の採用ホームページからすぐにダウンロードできるので必ずチェックしておきましょう。
小論文(様式第3号)について
小論文(様式第3号)については、「行政(デザイン)」の職種と同様に提出が必要です。
ただし、「学芸員(デザイン)」と「行政(デザイン)」では、小論文のテーマがそれぞれ異なります。
「学芸員(デザイン)」の令和6年度採用試験のテーマは以下の通り。
こちらの小論文についても、そこまで身構える必要はありません。
さきほどの「行政(デザイン)」のテーマと比べても、比較的書きやすいテーマでしょう。
- 「行政(デザイン)」のテーマは「デザイン思考を取り入れた地域課題の解決」
- 「学芸員(デザイン)」のテーマは「デザインリテラシー向上のための取り組みについて」
職種によってテーマは異なるものの、どちらのテーマが与えられたとしても、小論文対策の本を一冊買って準備しておけばも問題ありません。
合格発表について
「学芸員(デザイン)」の合格発表のスケジュールは以下の通り。
区分 | 時期 | 内容 |
第1次選考(書類選考) | 令和7年1月上旬 | 選考結果を申込者全員に書面で郵送により通知 |
第2次選考(人物考査) | 令和7年2月上旬 | 選考結果を申込者全員に書面で郵送により通知 |
スケジュールを見ると、選考結果はすべて郵送で来ます。
山梨県のデザイン職採用試験は、実務経験がある人にこそオススメ!
ここまで、山梨県の「行政(デザイン)」と「学芸員(デザイン)」の採用試験について見てきました。
どちらも採用人数は1名となっているので、かなり狭き門であると感じるかも知れません。
ですが、デザイン関連の実務経験を持っていて、公務員のデザイン職を志望する人となると、受験者数自体はそこまで多くならないことが想定されます。
また、もともと公務員志望の人はデザインに関する実務経験を持っていない人がほとんど。
そう考えると、デザイン関連の事務経験があって、かつ、公務員のデザイン職を志望する人自体はかなり少ない人数になるでしょう。
また、山梨県のデザイン職の試験は始まったばかりで過去問や体験談が無いので、受験する人のレベルはほぼ横並びといっても過言ではありません。
配属先も美術館附属デザインセンターということなので、気になる人はぜひこの機会に応募してみましょう。
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