
Webデザインを学びたい。でも、絵が描けない自分には無理かもしれない…。

その不安、めちゃくちゃよく分かります。僕も昔はそう思ってましたから。
実は僕、デザイン専門学校に通っていたくせに「デッサン」が超苦手でした。
隣の席の人が描くリンゴはまるで本物。僕のは…もはや謎の球体。先生に「これは…梨?」って聞かれたこと、今でもトラウマです。
でもですね、そんな僕でもデザイナーになれました。しかも、ちゃんとお給料をもらって。
この記事では、元・広告デザイナーで、現在は事務職に転職した僕のちょいリアルな視点から考察。
「Webデザインにデッサンって必要なのか?」問題にお答えします。
結論からお伝えすると、デッサン力はあるに越したことは無いけど、無くても基本的には問題ないでしょう。
むしろ、絵が上手に描けることよりも、モノをしっかりと見る目やツールの使い方を覚えることの方が重要です。
その理由を順番に紐解いていきましょう。
そもそもWebデザインに絵のうまさは必要?

そもそも、Webデザインをやるにあたって絵のうまさは必要なのでしょうか?
Webデザインという媒体の特性を考えると、以下のような特徴が浮き彫りになります。
- Webデザインは“絵を描く仕事”ではない
- ツールがある今、手描きの出番は少ない
どういうことか、もう少し具体的に見ていきましょう、。
Webデザインは“絵を描く仕事”ではない

まず大前提として、Webデザインとは「絵を描く」仕事ではありません。
Webサイトを構成するのは、主に文字・写真・図形・余白・レイアウト。イラストを描く機会は、思っているよりずっと少ないんです。
僕が最初に配属された広告会社でも、「線画は描けないから無理」と言っていた同期が、企画書やサイトバナーのデザインで大活躍していました。

つまり、絵心とデザイン力は必ずしもイコールではないということです。
ツールがある今、手描きの出番は少ない

Photoshop、Illustrator、Figma、Canva…今の時代は、ツールを使って形を整えるスキルの方が圧倒的に重視されます。
たとえば、Figmaを使えばUIパーツは全部揃ってるし、素材サイトも豊富。
描けなくても、「どう配置すれば見やすいか」「どう構成すれば伝わるか」が分かっていれば、それだけで十分通用します。
実際、クライアントとのやりとりでも「絵が描けるかどうか」より、
「このページで何を伝えたいのか」を的確に言語化できることの方が大切です。
あと正直、手描きでスケッチしたやつより、Canvaのテンプレのほうが一瞬で通ること、あります。はい、あるあるです。
手描きの場面が求められるのは、あくまでも自分の頭を整理するためのアイデアスケッチを出す時くらいです。
じゃあ、デッサンはまったく不要なの?

先ほど挙げた理由から「じゃあ、デッサンって不要なんじゃん!」と思う人もいるかも知れません。
ですが、「デッサン力が全く必要ないか?」と言われると少し語弊があります。
ここでは、デザインという領域においてどれくらいデッサン力があれば事足りるのかを確認しておきましょう。
僕が考えるデッサン力の位置づけは、こうです。
- 見る力・構造を捉える力としての価値
- 実務では、考える力の方が100倍大事
見る力・構造を捉える力としての価値

デッサンを通して養われる「観察力」や「構成を見る目」は、Webデザインにも活かせる部分はあります。
たとえば、余白の取り方やバランス感覚、直感的な“違和感”を察知する力など。
ただしこれは、「デッサンをしていないとできない」という話ではありません。
むしろ、日常で「なぜこのサイトは見やすいんだろう?」「このバナーは何がうまいのか?」と観察する習慣を持てば、誰でも身につけられる力です。

僕も専門学校でデッサンの授業を受けたときに「これは自分の得意分野ではないな」と感じていました。
構図を分解して分析することに興味を持つようになってから、急にデザインを見る目が育っていったように感じました。

実務では、考える力の方が100倍大事

実際、広告会社でも一番評価されていたのは「絵のうまさ」より「伝え方のうまさ」でした。
たとえば、以下のような力が圧倒的に求められます:
- 情報を整理する力
- 見せる順番を考える力(視線誘導)
- 誰に向けて発信しているのかを意識する力
- ターゲットに合わせて引っかかる表現をつくる力
これらは、デッサン力よりも「設計」や「論理的な思考」で身につくスキルです。
たとえば、「信頼感を持たせたい企業の採用ページ」で、あえてビジュアルを控えめにしてテキストと導線を目立たせるようなレイアウト。
こちらは、感覚ではなく論理で組み立てられています。「絵が上手い人」が全員それをできるわけではない。

だからこそ、考える力はデザイナーとしての最大の武器になります。
そんな訳で、クライアントに「この色、なんかいいですね〜」だけで通そうとしたら普通に詰みます。
やっぱり根拠って、大事。
絵が苦手でも活躍できる!実際の話

ここからは、絵が苦手だった僕でも活躍できた自分の体験談を交えてお話したいと思います。
- 僕自身、絵が得意じゃなかったけれど…
- 「絵が上手い=センスがある」ではない
絵が苦手な人でも、「自分にも意外とできるかも…」と思ってもらえたら幸いです。
僕自身、絵が得意じゃなかったけれど…

美術予備校に通っていた人たちの中で、僕は浮いていました。「この人たち、感覚がプロすぎる…」と感じる毎日。
でも、伝えるための設計に強みを持っていた僕は、「情報整理・プレゼン資料・構成ラフ」などで重宝されるようになりました。
とくに印象に残っているのが、「伝わる構成の作り方」をプレゼンしたとき。
講師から「この考え方はイラストが描ける人より武器になるよ」と言われたこと。
絵が描けない自分でも評価されたことで、自分なりの強みを見つけることができました。
「絵が上手い=センスがある」ではない

本当に活躍しているWebデザイナーほど、「センス」より「仕組み」を重視しています。
色の組み合わせ、タイポグラフィ、導線設計、余白の取り方――こういった要素は、再現可能な「技術」です。
むしろ“センス任せ”でやっていた人ほど、論理の壁にぶつかって伸び悩むこともあります。
だから、「センスがないから向いてない」と思っている人にこそ、Webデザインは向いている可能性があります。
「描けないから無理」と思っていたことが、意外と関係ない。それがわかると、一歩踏み出すハードルがぐっと下がります。

(それでもリンゴのデッサンはトラウマですけどね…。)

これからWebデザインを学ぶなら、何から始める?

これからWebデザインを学ぶなら、「見る力」と「ツールを使う力」の2つが今後ますます重要になってくるでしょう。
- まずは「見る力」を鍛えること
- 現場で使用するツールに慣れること
順番に見ていきましょう。
まずは「見る力」を鍛えること

デザイン力を伸ばすために、良いWebデザインを「真似して見る・分解してみる」ことから始めましょう。
- この配色はなぜ落ち着いて見える?
- なぜこのボタンは押したくなる?
- この余白の取り方はどんな狙いがある?
こうした観察と分析は、誰でも・今日から・無料で始められる最強の練習です。
「センスは盗め」と言われますが、分解して盗むのがコツです。丸パクリはだめ、ゼッタイ。
現場で使用するツールに慣れること

特におすすめは、FigmaやCanvaなどの無料ツールを触ってみること。
「手で描く」より、「クリックでレイアウトする」練習の方が、今のWeb制作では断然実践的です。
ただし、先ほどもお伝えしたようにものを「見る力」を鍛えることは怠ってはいけません。
デッサンは上手く描けることが重要なのではなく、実はモノを見る目を鍛えられるという点で重要だったりします。
迷ったら、好きなサイトを模写してみるのもOK。模写は、筋トレのように「基礎力」を養ってくれます。

しかも模写って…地味なんだけど、だんだんクセになってきます。不思議。
Webデザインに必要なのは、デッサン力よりも「設計力」

色々と書いてきましたが、広告の世界でも、Webデザインの世界でも、絵の上手さよりも情報を的確に伝えられる「設計力」の方が大切です。
- Webデザインは「絵を描く力」より「伝える力」が重要
- デッサンができなくても、Webの現場では十分通用する
- 見る・考える・整える。この3拍子が揃っている方が大事
肩に力を入れすぎず、「絵が描けなくてもいいなら、やってみようかな」くらいの軽さで、デザインの世界に踏み出してみてください。
案外その方が、長続きします。
「絵が描けないけど、デザインを学びたい」
僕も、まさにそこからのスタートでした。
また、本格的に学びたいと思ったらデジハリやデイトラ
のようなオンラインスクールに通うのも一つの方法です。
ツールの使い方だけでなく、伝えるためのデザインを体系的に学べるからこそ、絵が苦手な人でも安心して始められます。
まずは1ページでもいいから、作ってみるところから始めましょう。

緊張して手が震えても、クリックならいけます(笑)

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