デザイナーを辞めた後も、デザインに関連することは自分の意識一つで継続することが可能です。
事務員になってからは、平日は残業があっても平均1時間ちょっと。
土日はほぼ確実に休めるため、プライベートの時間を大幅に確保することができるようになりました。
デザイナー時代は、終電帰りや残業も日常茶飯事、土日もどちらかは出勤していたので、大幅に働き方が変わりました。
そのため、余暇の時間を、仕事以外の趣味の時間に充てることができるようになりました。
今回は、その余暇の活動の中で、週末に開催していたデザインスクールに通っていたときのお話です。
プロのデザイナーと同じ講座を受けて、自分の実力を試してみたかった
デザイナー時代はそのような、今回受けたようなデザイン講座を受けるほどの体力は、週末ほとんど残っていませんでした。
少しでも時間があれば、睡眠を取ることを優先していたからです。
転職をして、事務員になってからの生活は、デザイナー時代よりも劇的に改善しました。
デザイナーを辞めてから何年か経つと、課題や制約の中で作品を作れる環境を望んでしまっていました。
まあ、これは自分だけかもしれませんが。
基本的には、余暇の時間で創作活動やコンテストに出品する作品などを作ったりすることが多かったのですが。
少し自分を制約のある環境におきたかったのと、現役のアートディレクターやデザイナーの方から講義を受けたかったというのもあります。
自主制作ばかりしていると、少し自分に甘えてしまう所もあったので退路も断てたほうが良いかな(笑)と。
事務仕事は事務仕事として、それ以外の時間をデザインと向き合うことにしたのです。
今回僕が通った講座は1年間の限定講座です。毎週講義や課題が与えられて、次の回に作品を持参するというスタイルでした。
教室にはパソコンなどは置かれておらず、著名なアートディレクターを招いてスライドやレジュメを使用しての講座でした。
技術を磨く、というよりは、考え方を磨く、という内容に近かったように思えます。
周りの受講生は、ほぼ全て社会人で半数以上が現役のデザイナーの方でした。
一応、元デザイナーとはいえ、現役のデザイナーの方達の熱量はものすごく、自分もかなり刺激を受けました。
授業で与えられる課題も割と高度なものが多く、締め切りまでにある程度の完成度のものを持参するのは中々大変でした。
紙で立体物を作ったり、文字の切り貼りをしたり、組写真を構成したり、限られた色で版をつくったり。
当時、僕が通っていた講座には写真家の川内倫子先生が講師として招かれる回がありました。
写真の課題もまあまあ重かったのですが、一所懸命作っていたら講評の時にとても評価してくれました。
大変だったけど、やってよかったと思える瞬間でした。
デザインスクールに通って周りの受講生とも割とよく話すようになったのですが、皆仕事では中々自分の作りたいデザインを作れていないようでした。
自分の実力がどうこうというより、会社の方針で作りたくないものをデザインしなければいけなかったり、社内にデザインのことがわかる人がいなかったり。
ああ、現役でデザイナーをやっていても皆色々と苦労しているんだな、と。
デザイナーであっても、デザイナーでなくても、デザインの力を向上させるには自分で意識して上げていくしかない。
ということを実感した瞬間でした。
デザインスクールに通ってみて、自分のデザイン力がどこまで伸びたか
講座に通って一番よかったのは、締切に向けて作品を仕上げる努力をすることで自分の実力以上の力が出せたことです。
課題提出の日は、提出と同時にみんなの前でプレゼンをすることになります。
その時に、作品がないという訳にはいかないので死に物狂いで形にしてプレゼンできる状態まで持っていきました。
アイデアを出す時間や制作にかかる時間も全て逆算して、一つの形にするところまで持っていきます。
また、ただこなすだけでなく、もし自分がまだ現役でデザイナーを続けているとしたら…という前提で、ポートフォリオに収録できるレベルを目指しました。
その甲斐あって、講評でも作品が評価され、後にコンテストに出品した際にも同じ作品で入賞することもできました。
当時の作品をいま見ても、かなり高いクオリティを維持できているのではないかと思います。
ともかく、現役のデザイナーであっても、現役のデザイナー出なくても、自分のやる気さえあれば、人生を好転させることは可能ということです。
転職しても、デザインの世界と関わり続けられるかどうかは自分次第
デザイナーから別の職種へ転職をしてしまったら、デザインと関わることが一生出来ないかというと、そうではありません。
オンラインスクールでも、夜間のデザイン講座でも、週末だけのレッスンでも、自分の気持ち一つでデザインと関わることが可能です。
その証拠に、僕は今でも平日の夜はラフスケッチをしたり、週末の度に美術館に通ってインプットのための時間も確保しています。
デザインに関する書籍や雑誌も今でも毎月買っていますし、デザインコンテストに応募したり、グループ展を開催したりもしました。
自分のように、デザインとは真逆の事務仕事をしていたとしても、
デザインの世界に関われるかどうかは結局のところ、自分の行動次第
ということです。
デザイナーを続けるのがもうこれ以上しんどい、つらい、という方は一度立ち止まって考えて見るのもいいかも知れません。
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