今回は公務員のデザイン職の中でも、デザイン寄りの職種をご紹介します。
対象は一般大学出身者ではなく、美大出身者限定。
採用情報にも、「美術系大学(大学院を含む)を卒業(修了)見込みの者」または「美術系大学を卒業した者」との記載があるためです。
美大の卒業生はアーティストやデザイナーなどのクリエイティブ業界に就職する人が多いため、公務員を目指す人は少数かも知れません。
ですが、他のクリエイティブな職種に比べて、公務員のデザイン職であれば、安定したお給料を貰いながら、自分の好きなことに没頭できるという大きなメリットがあります。
書類選考、筆記試験、実技試験、複数回の面接など、採用に至るまでの道のりは長いですが、採用されれば不景気やリストラに怯えることなく働けます。
さらに、公務員のデザイン職ということで福利厚生の手厚さは民間企業の比ではありません。
少しでも興味を持ったのであれば、ぜひ一度、国立印刷局の工芸職採用試験に挑戦してみてください。
国立印刷局の工芸職って、そもそもどんな仕事?
国立印刷局の工芸職というお仕事について初めて耳にしたという人もいるかと思いますので、そもそもどんなお仕事であるかについて触れておきましょう。
国立印刷局の工芸職は「工芸官」とも呼ばれ、普段私たちが使っている紙幣や印紙のデザインなどをおこなっています。
「未来の職業研究」というサイトで、工芸官は以下のように説明されています。
工芸官は、紙幣や印紙などのデザインをし、印刷するための原版を作る仕事です。紙幣の場合はデザイン担当と彫刻担当に分かれます。デザイン担当者はお札の図柄を考え、筆と絵具でお札のもとになる原図を描きます。彫刻担当者はその原図をもとに、手彫りで原版を作成します。紙幣のデザインは、偽造防止のために大変複雑にできており、高い完成度を求められています。特に日本は、伝統的にその技術の維持向上に努めており、近年は海外からも大変注目されています。
長年にわたり使用される紙幣を作る工芸官には、高いデザイン力と彫刻の技術が求められます。まずは印紙や証紙などの製造を行いながら技術を磨きます。紙幣のデザインや彫刻を担当するのはベテランの工芸官です。紙幣のデザインや彫刻を任されるには、10年以上の修業が必要ともいわれます。
引用:工芸官| なり方・資格・仕事内容・年収など | 未来の職業研究 | 東進の職業情報サイト (toshin.com)
少し説明を読んだだけでも、かなりの緻密さが要求されるお仕事であることが分かりますね。
ですが、細かい作業が好きな人は特に抵抗なく目指せる職種かと思います。
工芸職採用フローについて
ここからは、工芸職の採用フローについて見ていきます。最初のエントリーは、マイナビのサイトからおこないます。
御覧のように、内々定までにクリアしなければならないステップが数多くあります。
特に、個別面接試験が3回も実施されるというのは、公務員のデザイン職の中でも比較的珍しいのではないでしょうか。
それ以外にも、筆記試験や実技試験・作品提出など、就職活動で必要なすべての試験も盛り込んだ相当難易度の高い試験となっています。
国立印刷局の工芸職を目指す人は、それ相応の覚悟を持って試験に挑むようにしましょう。
工芸職の採用スケジュールについて
工芸職採用の今後のスケジュールについても確認しておきましょう。
応募書類の受付は4月下旬ごろにおこなわれます。その後は、2ヶ月ほどかけて様々な試験をおこない、最終的に内々定が決まるのは夏頃。
なかなかの長丁場となるので、他の試験と併願する場合は、スケジュールをうまく調整しなければなりません。
※このほか、適性検査と職業適性検査を実施。また、従事する仕事内容に色管理等があるため、色覚検査を実施。
ここまで見ても分かる通り、試験の内容自体も割と重いので、受験の際はしっかりと準備をしておきましょう。
工芸職の採用後の待遇について
工芸職の採用後の待遇についても見ていきましょう。やはり、何といっても一番気になるのは採用されてからのお給料です。
国立印刷局のホームページにはモデル月収例として以下のような記載がありました。
【(初任給)モデル月収例】
大卒(工芸職採用) 月収:230,100円(地域手当含む)
大学院了(工芸職採用) 月収:242,300円(地域手当含む)
※勤務地に応じて支給される地域手当を含む。(東京都特別区:12%)
※その他経験等を考慮します。(大学院修了者等)
引用:独立行政法人国立印刷局の採用データ | マイナビ2025 (mynavi.jp)
諸手当として「通勤手当、扶養手当、住居手当及び超過勤務手当等」、さらに「年2回の賞与」、「独身寮」、「育児のための休暇・休業等」などが整っています。
年2回の賞与や超過勤務手当、年に1回の昇給もありますので、年収にするとかなりの好待遇。
地域手当を含むモデル月収では、基本給以外のプラスアルファの収入も含まれているのでしょう。
お給料を貰いながら、自分の好きなモノづくりの作業に没頭できるというのも工芸官の魅力ですね。
工芸職の採用後の研修制度について
工芸職として採用された後の研修についても見ていきましょう。
研修については、割と充実しており、きちんと段階を踏んで技術が身に付くような環境が整えられています。
- 新規採用職員研修
- 配属後の育成研修
- .技術系研修
- 階層別研修
- その他
新規採用職員研修
新規採用職員では、研修社会人や国家公務員としての心構えやビジネスマナーを研修で習得していきます。
また、国立印刷局で働く上での基礎的知識を学びます
配属後の育成研修
配属後の育成研修では、『OJT(On the Job Training)』をベースに、仕事に関する知識や技術などを身に付けていきます。
技術系研修
技術系研修では、日本銀行券の製造に関する内容を学び、ものづくりを支える人材の育成にも努めます。
階層別研修
階層別研修では、中堅層や管理職層は、リーダーシップ能力やマネジメント能力などの向上を図るための研修を受講します。
その他
上記、4つの研修以外にも、国内外の大学や民間企業で1~2年間の期間を取って、長期派遣研修などをおこないます。
これらの研修では、各自が調査・研究テーマを持って学ぶなど、様々な研修が実施されます。
工芸職採用に関する説明会等について
ここまで読んでみて、もう少し国立印刷局の工芸職採用について知りたいと思った人もいるかと思います。
そこで、ここからは工芸職採用に関する説明会等ついてご紹介します。直近で開催される説明会やセミナーについては、以下の通り。
- マイナビ就職GIGA WEB EXPO JAPAN(2月26日、27日、28日)
- WEB業務説明会(オンデマンド配信)
- 先輩職員との座談会(オンライン)
- 先輩職員との座談会(対面)
マイナビ就職GIGA WEB EXPO JAPAN(2月26日、27日、28日)
直近で開催されるイベントとして、「GIGA WEB EXPO JAPAN 2024」があります。
こちらは、マイナビが主催するスペシャルイベント。
3日間で約580社が出展し、就活ノウハウが学べる豊富な講座やコンテンツが充実しています。
イベントを予約すると、以下の3つの特典が付いてきます。
- 対象者全員:「合同企業説明会を活用して情報収集・分析力をアップしよう!」(PDF版)
- 抽選で500名:当日のアンケート回答で、e-GIFT 3,000円
- 対象者全員:3日間それぞれ6社以上の「出席票」提出で、就活講座アーカイブ9本セット
ただし、、いずれの特典も「イベント予約」が必須となります。
ちなみに、国立印刷局は2月28日にWEBセミナーの出展エリアにて出店します。
開催日 | 時間 | 場所 | 備考(会場など) |
2024/02/26(月) | 10:00~18:00 | WEBセミナー | 1日目 |
2024/02/27(火) | 10:00~18:00 | WEBセミナー | 2日目 |
2024/02/28(水) | 10:00~18:00 | WEBセミナー | 3日目 |
日程の案内を希望 | 10:00~18:00 | WEBセミナー | 2/26~28 3日間分の予約 |
WEB業務説明会(オンデマンド配信)
国立印刷局では、オンデマンド配信によるWEB業務説明会も実施しています。
遠方のため、説明会の会場が遠い場合は、こちらの内容をパソコンやスマホから確認しておくと良いでしょう。
申込みは、マイナビのホームページからできます。
■WEB業務説明会内容(約25分)
- 国立印刷局の概要
- 日本銀行券の製造工程
- 国立印刷局の働き方
- 採用案内など
■視聴の流れ
STEP1.以下の「申し込む」より視聴予約
↓
STEP2.マイページの企業管理タブ内、「オフィシャル配信履歴」画面より「視聴する」をクリック
↓
STEP3.WEB業務説明会を視聴(約30分)
なお、動画のご視聴は3月1日から可能となります。
開催日 | 時間 | 場所 | 備考(会場など) |
いつでも参加可能 | 10:00~18:00 | WEBセミナー | 「オフィシャル配信予約履歴」タブ内から「視聴する」よりご視聴ください。 |
先輩職員との座談会(オンライン)
国立印刷局では、先輩職員による質疑応答を中心としたオンラインの座談会も用意されています。
■先輩職員との座談会(オンライン)内容(約1時間)
- 国立印刷局の概要紹介
- 先輩職員との座談会
- 採用案内
※「WEB業務説明会(オンデマンド配信)」を視聴済みであることを前提に進行するため、事前に動画の視聴をしておくと良いです
■予約後の流れ
STEP1.開催前日までに参加用URLをマイナビメッセージボックスに御案内
↓
STEP2.参加当日までに、「WEB業務説明会」を視聴
(先輩職員に実際に聞いてみたいことなどを考えた上で、座談会にご参加いただくとスムーズです)
↓
STEP3.後日送信する参加用URLをクリックし、入室(約1時間)
開催日 | 時間 | 場所 | 備考(会場など) | 対象 |
2024/03/02(土) | 10:00~11:00 | WEBセミナー | Teams | 文理共通 |
2024/03/02(土) | 14:00~15:00 | WEBセミナー | Teams | 文理共通 |
2024/03/05(火) | 13:00~14:00 | WEBセミナー | Teams | 理系 |
2024/03/09(土) | 13:00~14:00 | WEBセミナー | Teams | 文理共通 |
2024/03/11(月) | 15:30~16:30 | WEBセミナー | Teams | 理系 |
先輩職員との座談会(対面)
国立印刷局の本局(東京都港区虎ノ門)において、先輩職員との対面の座談会の開催も予定されています。
座談会では、本局の各職場で活躍中の先輩職員からの貴重なお話が聞けます。
会場へ足を運ぶことができる方は、ぜひ一度聞いてみると良いでしょう。
■業務説明会(対面)の内容
- 業務内容説明(採用案内含む)
- 先輩職員との懇談会
- アンケート記入等
※「WEB業務説明会(オンデマンド配信)」を視聴済みであることを前提に進行するため、事前に動画の視聴をしておくと良いです
※当日は、開始時刻10分前から受付を開始。開始時刻の5分前までに国立印刷局本局(共同通信会館7階)の受付へ
※7階の受付までは、共同通信会館のエレベーターを利用
開催日 | 時間 | 場所 | 備考(会場など) | 対象 |
2024/03/08(金) | 10:00~11:00 | 東京 | 国立印刷局 本局(東京都) | 文理共通 |
2024/03/14(木) | 13:30~14:30 | 東京 | 国立印刷局 本局(東京都) | 文理共通 |
場 所:独立行政法人国立印刷局 本局(東京都港区虎ノ門2-2-5 共同通信会館)
アクセス:東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」(3番出口) 下車 徒歩6分
東京メトロ銀座線/南北線「溜池山王駅」(9番出口)下車 徒歩4分
東京メトロ丸の内線/千代田線「国会議事堂前駅」(3番出口)下車 徒歩7分
国立印刷局の工芸職はモノづくりや細かい作業が好きな人にこそオススメ!
国立印刷局の工芸職について色々と見てきましたが、それでもピンと来ないという人も居るかも知れません。
その場合は、ぜひ一度、説明会や座談会に参加してみてください。
やはり現場で働いている人の生の声を聴けるというのは、とても貴重な機会となります。
普段生活している中では、絶対にお目にかかれないような国立印刷局の職員や工芸官のお仕事を知るのにも、絶好のチャンス。
美大出身で、モノづくりや細かい作業を得意としている人には、かなりオススメの職種です。
安定したお給料を貰いながら、自分の好きなことに没頭したいという人は、選択肢の一つとして検討してみてください。
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