
「デザインって、絵が上手い人だけができるものじゃないんですか?」

そんなことはありません!僕も絵は苦手ですが、デザインコンテストで多くの入賞実績があります。
しかも、入賞回数は現役のデザイナーだった頃より、事務職に転職してからの方が多いんです。
僕自身は、一般大学を卒業してからデザイン専門学校に通い、デザイナーとして勤務していました。
その後、転職活動を経て今は事務職になりましたが、当時からイラストが得意なタイプではありませんでした。
むしろ、絵の才能で勝負できるタイプではなかったからこそ、「どう見せるか」「どう伝えるか」という整える工夫に集中できたのかもしれません。
この記事では、絵が苦手な僕がデザインコンテストで入賞した3つの理由を軸に、デザインの力を伸ばす方法をお伝えします。
「もともとデザインをやってたから入賞できたんじゃないの?」と思う人もいるかも知れません。
ですが、多くのデザインコンテストでは年齢や性別が不問となっており、小・中学生や年配の方もコンテスト入賞者の中に名前を連ねています。
もちろん、美大生であることや専門学校生であることも条件になっていません。

実際に僕が以前応募して入賞したコンテストでも、何人かの小・中学生が優秀賞や佳作を受賞していました!
では、何が「コンテスト入賞者」と「そうでない人」との明暗を分けたのでしょうか?
結論からお伝えすると、伝えたい情報をいかに整理できていたか?という点がポイントです。
そのうえで、なお相手に印象ある伝え方ができていたかも大切となります。
記事後半では、事務職での経験がどうデザインに活きたのかや、これから学び直す人におすすめしたいオンラインスクールの選び方についてもご紹介します。
絵が苦手でも入賞できた3つの理由

はじめに、絵が苦手だった僕が数々のデザインコンテストで入賞できた3つの理由をお伝えします。
- メッセージ:何を伝えるか掘り下げる
- ラフスケッチ:描くより考える
- 情報設計:見やすさをデザインする
❶ メッセージ:何を伝えるか掘り下げる

どれだけ見た目がきれいでも、「だから何?」と思われてしまえば、それはデザインとして未完成です。
僕がコンテストで意識していたのは、「誰に、何を、どう伝えたいのか?」を最後まで崩さないことでした。
デザインとは、視覚を使ったプレゼンテーションです。自己表現よりも、「相手にどう届くか」が命。

そのため、デザインの背景にあるストーリーやコンセプトを丁寧に設計しました!
この考え方は、事務職の「説明資料」づくりと極めて似ています。
「この表やグラフは、誰のために作っているのか?」
「どう伝えれば納得してもらえるのか?」
そうした発想が、デザインにも自然と活きてきたのです。
❷ ラフスケッチ:描くより考える

何を伝えるか掘り下げることができたら、ラフスケッチをしてデザインの元ネタを考えていきます。
僕は正直、イラストには自信がありません。でも、コンテストに出す前には必ずラフを描いていました。
それは、思考の整理のためです。
・どんな配置で
・どんな順序で
・どんなサイズ感で
これらを簡単なスケッチで「見える化」することで、制作の方向性がぶれず、メッセージが明確になっていきました。
ラフスケッチに必要なのは、画力よりも論理力と構成力だったと思います。
❸ 情報設計:見やすさをデザインする

候補となるラフスケッチが決まったら、パソコン等を使って一度アイデアを形にしてみることが重要です。
頭の中やアイデアスケッチで出したビジュアルをキレイに整えることで、より情報が伝わりやすくなります。
そして、デザインコンテストで何より重視されたのは「パッと見て伝わるかどうか?」ということ。
・どこから目線が始まり、どこに着地するか?
・情報が多すぎず、適度に整理されているか?
・余白やフォントが、見やすさを邪魔していないか?
こうした構成力や情報設計を徹底的に意識しました。イラストではなく、“伝える力”そのものが評価されたのです。
この「構成の意識」は、実は事務職の書類作成や説明資料づくりで磨かれた部分でもあります。
「どう並べれば見やすいか?」「読んでもらえる順番になっているか?」という感覚が、業務の中で自然と鍛えられていったのです。
評価されたのは絵の上手さではなかった

ここからはデザインコンテストに入賞したことによって、僕が実感した評価ポイントについて分析していきます。
- コンテストの講評でわかった評価ポイント
- 「プロっぽさ」は見た目の豪華さではない
- 自分の強みは「様々な情報を整える力」だった
- 絵が下手でも勝負できる場所はある
コンテストの講評での評価ポイント

デザインコンテストに入賞した際、最も多かった講評は「伝え方が上手い」「構成が良い」といったものでした。
つまり、評価されたのは“絵の上手さ”ではなく、“設計力”や“伝達力”だったのです。
僕が提出した作品には、緻密なイラストや特別な加工はありませんでした。
素材の多くは自分で撮った写真や素材、テンプレートなど。ラフスケッチも、下手なりにざっくりと描いたものです。
それでも評価されたのは、
- 情報を整理して見やすく配置する力
- メッセージを視覚的に伝える工夫
- 全体のトーンや空気感を“整える”力
といった、絵そのものではなく、設計や思考の工夫だったのです。
プロっぽさは見た目の豪華さではない

多くの人が「プロっぽさ=見た目の美しさ」と思いがちですが、実際には違います。
- タイトルと本文のバランス
- 情報の並び順
- 配色と余白の統一感
こうした視覚的な“整理整頓”の積み重ねが、プロっぽさを生みます。
僕の作品も、目を見張るほどの華やかさはありませんでしたが、
「誰にでも読みやすい」
「目的がすぐに伝わる」
これらのことを大切にした結果、プロの審査員の目に留まりました。

自分の強みは「情報を整える力」だった

絵が得意でなかった分、「構成」「順序」「優先順位」といった要素に注力することができました。
これは、事務職として日常的にやっている「資料の整理」や「情報の要約」とも通じています。
- 「どう並べたら伝わるか?」
- 「どこを目立たせるべきか?」
- 「読んだ人が迷わない構成になっているか?」
こうした「情報を整える力」こそが、僕にとって最大の武器だったと感じています。
絵が下手でも勝負できる場所はある

「デザイン=絵が上手い人の世界」と思われがちですが、実はそうではありません。
構成・伝達・整理の力があれば、十分に通用する分野があるのです。
だからこそ、絵が苦手な人ほど「自分には無理」と思わずに、一歩踏み出してほしい。
デザインの世界には、あなたの“考える力”や“整える力”を活かせる場所が必ずあります。
事務職での経験がどうデザインに活きたか

- 書類作成で培われた「整える力」
- 業務で鍛えられた「読み手目線」
- 「制約の中で工夫する」思考力
書類作成で培われた「整える力」

事務職として日々作成してきた報告書や資料作成の中で、僕は自然と「情報をわかりやすく伝えること」に注力してきました。
どの情報を先に出せば理解されやすいか? 見出しや箇条書きはどうすれば読み手がストレスなく読めるか?
こうした情報の順序や見せ方への気配りが、実はそのままデザインの構成力に直結していたのです。
業務で鍛えられた「読み手目線」

事務職では、相手に正確に伝えることが重要です。
電話対応・文書作成・データ処理など、 すべてが「相手がどう受け取るか」を意識するトレーニングになっていました。
これはデザインでもまったく同じ。
主観を排して、読み手や見る人の立場に立つことが、 “伝わるデザイン”をつくる基本になります。

「制約の中で工夫する」思考力

事務仕事には、「限られたフォーマット」や「予算・時間の制限」がつきものです。
その中で、いかに伝わるように整えるか?という力を、日常的に養ってきました。
このような制約下での工夫する力は、コンテストにおいても大きな武器になりました。
自由度の高い課題の中で「いかに目的に沿って形にするか」は、まさに日々の業務と共通する視点だったのです。
デザインとイラストは違う領域

デザインのお仕事というと、一般的には絵を描いてクリエイティブなお仕事をしているイメージかも知れません。
ですが、実際に絵を描くのはイラストレーターであって、デザイナーは直接絵を描かないということがほとんどです。
ここでは、その点についてもう少し具体的に整理しておきましょう。
- イラストレーターは「描くこと」が本業
- デザイナーは「整えて伝える」のが仕事
- 素材を“描く”より“活かす”仕事
- 描けないからこそ、工夫で勝負できる
イラストレーターは「描くこと」が本業

「絵が描ける=デザインができる」という誤解を、僕は何度も見聞きしてきました。
確かに、両者は見た目の美しさやビジュアルの印象を扱うという点では共通していますが、役割や目的はまったく異なります。
イラストレーターは、「描く」ことそのものが本分です。
独創的な世界観やキャラクター、情緒的な表現を通して、主観的・感覚的なメッセージを届けるのが得意分野です。
デザイナーは「整えて伝える」のが仕事

一方で、デザイナーは「構成」や「設計」に重きを置く職種。情報を整理し、論理的な順序で視覚化し、誰かに“わかりやすく伝える”のが仕事です。
つまり、デザインは「美しさ」以上に、「伝達性」や「目的達成」が問われる世界です。
デザインは素材を描くより活かす仕事

特に、一般企業や行政などでの業務では、素材を自分で描くよりも、既存の写真やイラストをどう組み合わせて最適化するかの方が求められます。
実際、僕がデザインコンテストで使用した作品の多くも、自分で撮った写真、図形などを構成して制作したものです。
必要だったのは、「魅力的な絵」ではなく、見やすく伝わる設計力でした。
描けないからこそ、工夫で勝負できる

だからこそ、「描けないと無理」と思って学びをあきらめるのはもったいないです。
簡単なアイデアスケッチ程度が描ければ十分で、それ以上の“画力”は武器にはなりませんでした。
そして今では、「描けないなりに工夫する力」こそが、自分にとっての最大の強みになっていると感じています。
事務職だからこそ「伝わるかどうか」に敏感になりました。その経験が、デザインにもつながっているのです。
学び直しのチャンスは今からでも遅くない

- 社会人だからこそ、気づける学びの本質
- 「「もう遅い」ではなく「今だからこそ」
- 小さな一歩が、やがて“武器”になる
社会人だからこそ、気づける学びの本質

「もう学生じゃないし…」
「デザイナーとして働いていないし…」
そんなふうに、年齢や職種を理由に、学びを止めてしまう人は少なくありません。
でも僕自身、事務職に転職してからの方がコンテスト入賞が増えたことで、ある気づきがありました。
学び直しは、むしろ社会人になってからの方が効果的かもしれない。
社会経験を積んだ今だからこそ、「伝える相手」や「現場での困りごと」がリアルに想像できるのです。
例えば、
- どうすれば上司に伝わるプレゼン資料になるのか?
- 市民やお客様に誤解なく伝えるには?
- 読み飛ばされずに読んでもらうには?
こうした“現場目線”を持った上で学ぶデザインは、単なる技術習得ではなく、実践力の獲得に変わります。
「もう遅い」ではなく「今だからこそ」

年齢を理由に「今さら…」と感じる気持ちは、僕も痛いほどわかります。
でも実際に学び直してみると、
- 以前より集中力がある
- 無駄な情報に振り回されなくなった
- 学びをすぐに実務で試せる
など、大人だからこその強みがたくさんあると感じました。何より、「自分で選んで学ぶ」ことの楽しさが、大人の学びにはあります。
「好きだから」「必要だから」「成長したいから」
そんな純粋な動機が、学びを前向きに、そして本質的なものにしてくれるのです。
小さな一歩が、やがて武器になる

僕自身、最初から何か特別な決意があったわけではありません。
でも「もっと伝わるデザインがしたい」「今の自分でもできる工夫をしたい」
——そんな気持ちから、小さな学びを重ねていった結果が、いまの自分につながっています。
だからこそ言いたいのです。
学び直しに“遅すぎる”なんてことはありません。
それどころか、事務職でも、絵が得意でなくても、思考と工夫があれば勝負できる。
今こそ、自分の力を“伝わる形”に整えるチャンスだと思います。
学びの選択:スクールという整える場所

- 独学の限界にぶつかったとき
- 整える力を伸ばす環境としてのスクール
- デジハリとデイトラの違い
独学の限界にぶつかったとき

「今は無料で何でも学べる時代」と言われる通り、ネット上には優れたデザイン教材やYouTube動画があふれています。
僕も最初は、そうした無料のリソースを使って独学で勉強していました。しかし、だんだんとある“壁”にぶつかるようになります。
- 自分のやり方が正しいのか分からない
- 何をゴールにすればいいのか曖昧になる
- 客観的な評価が得られず、自信がつかない
独学は、自分のペースで進められる一方で、「正解の基準」が見えにくくなりがちです。
特に、デザインは相手にどう伝わるかが重要な分野なので、自分の視点だけでは限界があると痛感しました。
整える力を伸ばす環境としてのスクール

そこで僕がおすすめするのが、オンラインスクールという学び方です。
- 決まったカリキュラムで、何をどの順に学ぶかが整理されている
- 添削やフィードバックで、客観的な視点が得られる
- 実務に近い課題があるため、アウトプットの質が上がる
これらは、ただ知識を詰め込むだけでなく、「考え方」や「見せ方」を整えるトレーニングになります。
僕自身は過去に専門学校でデザインを学びましたが、実際に社会人が通うとなると場所や時間の制約があってかなりハードルが高いです。
一方、オンラインスクールの授業は元デザイナーの僕から見てもカリキュラムが充実しており、場所や時間の制約もありません。
そして、何よりも授業料がリーズナブルなのがいいですよね。美大や専門学校に通うとなると、それだけで数百万円の出費は覚悟しなければなりません…。
デジハリとデイトラの違い

このブログで別記事でも詳しく紹介していますが、元デザイナーの僕自身が分析・調査して特に信頼しているのが、以下の2つのオンラインスクールです。
- デジハリ・オンラインスクール(※詳細記事あり)
- 現役プロからのフィードバックがもらえる
- コンセプト設計やビジュアル構成まで、丁寧に指導
- 初心者にもわかりやすい体系的なカリキュラム
- デイトラ(※詳細記事あり)
- 実践向け・短期集中型で、副業や転職に直結
- 「とにかく作る・アウトプットする」ことを重視
- 自走力を育てたい人、自主的に学びたい人に最適
それぞれのスクールに特徴があり、自分に合った方を選べば問題ありません。
というふうに、目的やスタイルに応じて選べます。
このブログ内でも、デジハリやデイトラの詳しいレビュー記事を載せていますので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてください。

僕のように「整える力を武器にしたい」「作品を通して評価されたい」と思う人には、講評・添削のあるスクールが特に効果的だと感じます。


絵が苦手な会社員や公務員でも、デザインの力は伸ばせる

「絵が苦手=デザインは無理」そんな固定観念を持っている人にこそ、僕は声を大にして伝えたい。
デザインとは絵が上手く描けることではなく、伝えることに徹したコミュニケーションの手段です。
絵が上手かどうかよりも、
- 「相手の立場で考える」
- 「見やすく整理する」
- 「本当に必要な情報だけを届ける」
といった力こそが評価される世界です。僕自身、現在は専門職でもなければ、絵が得意なわけでもありません。
それでも、事務職という実務の中で磨いた「整える力」を武器に、デザインコンテストで結果を出すことができました。
今、デザインを学ぼうとしているあなたがすでに持っている伝えたい気持ちや考える力は、何よりも強い原動力になります。

スクールで体系的に学ぶのもよし、自分のペースで挑戦するのもよし。大切なのは、「やってみよう」という一歩を踏み出せるかどうかです!
絵が苦手でも大丈夫。むしろ、苦手だからこそ育てられる“設計力”があります。
あなたの「伝える力」は、これからきっと大きな武器になるはずです。

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