よし、デザインの勉強をしよう!
と、思い立った思い立った時、最も参考になるのは書店で売られているデザイン本でしょう。
ですが、デザインの本や雑誌は他の書籍に比べてかなり高額。
「これ、いいな」と、ふと手に取った薄い本が何千円もするといったこともザラです。
良いなと思った本を次から次へと買っていては、いくらお小遣いがあっても足りません。
かと言って、デザインの勉強をするのに何の資料が無いというのも心もとないです。
そこで今回は、コストを抑えてデザイン本を手に入れる方法を解説します。
おしゃれなデザイン本の重要性
デザイン本はとても参考になるといっても、何がどう参考になるのかイマイチ分からないという人もいるでしょう。
デザインのことを勉強し始めた当初は、何がいいデザインで、何が悪いデザインなのか、見分けるのはとても難しいです。
そこで、ここではデザイン本の重要性について3点解説します。
- プロの作品がお手本
- アイデアのヒントが満載
- ポートフォリオの参考になる
それぞれの重要性について、1つずつ具体的に見ていきましょう。
プロの作品がお手本
デザイン本の最大の特徴は、プロの作品を常に手元に置いておけるということでしょう。
実際、プロの作品を間近で見るためには、美術館に行ったり、街に掲載されているポスターを探しに行ったりしないといけません。
ですが、1つの作品をみるために時間とお金を費やして、作品を探しにいくというのはとても効率が悪いです。
一方、インターネットにもいろいろな作品が掲載されていたりしますが、網羅性や一覧性に若干欠ける所があります。
1つの作品をじっくり見るためには、何回も画面をタップしたり、マウスをクリックしなければなりません。
その点、デザイン本であればパラパラとページをめくることができるので、一気に多くの作品を参照可能。
気になった作品があったら、付箋やしおりを貼っておくだけで見返すのも容易になります。
アイデアのヒントが満載
デザイン本の良い所は、自分では思いもよらなかったアイデアが掲載されている所です。
プロのデザイナーの人の発想は本当にスゴイものがあります。
普段、私たちが普通に生活しているだけでは、思いもよらなかったような発想を目の当たりにできます。
最初はなかなかプロの思考回路をマネすることはできません。
ですが、アイデアを生み出すための方法に王道はないので、地道にそのような発想ができるよう訓練を積んでいくしかありません。
筋トレと一緒でアイデアや企画、コンセプトを生み出すためにはある程度の訓練が必要です。
まずは、プロの人がどんな発想で作品を手掛けているのかを分析してみましょう。
ポートフォリオの参考になる
最後はデザイン本に掲載されている作品を観るという視点ではなく、どのようにパッケージされているかという視点で見ていきましょう。
デザイン本には様々な工夫が凝らされています。
- 表紙
- 背表紙
- 目次
- キャプション
- 書体やフォント
- 作品を掲載する順番
- 紙質
- 印刷方法
- …etc
などなど。
他にも、数え上げればキリがないくらい、デザイン本は随所にこだわって制作されています。
自分が手掛けたデザイン作品が増えてくると、ポートフォリオという作品集を作るタイミングが必ずやってきます。
ポートフォリオは目の前にいる相手に、
ということを提示するため、自己紹介やプロフィールの提示も兼ねています。
このポートフォリオは、就職活動や転職活動の時に、自分のデザイン能力をアピールするための強力な武器になります。
他にも、友人や知人にデザインを依頼されたときに、過去にどんな作品を作っていたか提示できると相手も安心するでしょう。
デザインのことを学び始めたばかりだと、ポートフォリオの作成なんて夢のまた夢、と思うかも知れません。
ですが、デザインのことをある程度勉強して、作品が増えてくるとポートフォリオは必ずつくることになるでしょう。
その時は、自分が好きなデザイン本がどのような構成で作られていたかを思い出してください。
きっと、ポートフォリオ作成のタイミングで役に立つ日が来ます。
なぜ、おしゃれなデザイン本は高額になってしまうのか?
デザインに関する書籍は他の出版物に比べて、割高なことが多いです。
その理由として、主に以下の3つの理由があります。
- 需要が少なめ
- 印刷などにコストがかかる
- 基本フルカラー
いずれも、作り手のこだわりが理由となっていますが、具体的にもう少し掘り下げてみましょう。
需要が少なめ
デザインの本は主に、デザイナーやデザイン業界を志望する学生などに売れている本です。
そのため、ベストセラーになったとしても、発行部数としては他のビジネス本などと比べて少なめ。
それでは、どこで価格を調整するかというと、本体の単価を上げるしかありません。
もともとの購買層のパイが少なめでも、単価が高めに設定されていれば、たとえ売れ行きが少なくてもそれで充分黒字となります。
しかも、デザインに関する書籍は手元に無いと仕事に支障が出ることも多いため、多少高くても買ってくれる人も多いです。
このように、需要と供給のバランスが絶妙にマッチし、デザイン本は高額な価格設定になっています。
印刷などにコストがかかる
街の本屋さんの美術書・デザイン書コーナーに立ち寄った方は記憶に残っているかも知れませんが、デザイン本はとてもオシャレに装丁されています。
- 特殊な印刷
- 特殊な綴じ方
- 特殊な紙
- 特殊なインク
- 特殊なパッケージ
どの要素をとっても、一目で「うわあ、お金かかってるなあ!」とわかるデザイン本が多いです。
これは悪い意味ではなく、随所にデザイナーのこだわりが感じられるため、とても購買意欲を掻き立てられます。
もし、この本は絶対に買って手元に置いておきたい!と思ったら、そのデザインは成功していると言えるでしょう。
基本フルカラー
デザイン本はよほど特殊な事情が無い限り、基本フルカラー印刷のものが多いです。
というのも、フルカラーで印刷をしないと実際に手元に置いてみたときに、色やデザインを参考にすることが難しくなるからです。
ポスターやロゴマークなど、実際にどのような色やデザインで作らているのを分析するには、フルカラーでなくては意味がありません。
例外として、あえてコストを抑える印刷手法で2色刷りなどのデザインを集めたデザイン本はありますが、最初はフルカラーでデザインすることに慣れておきましょう。
フルカラーのものをモノクロや2色刷りにするのはそこまで大変ではありませんが、モノクロや2色刷りのものをフルカラーにするには相当のデザイン力が要求されます。
はじめのうちは、きちんとフルカラーでデザインする練習をしておきましょう。
おしゃれなデザイン本を、コストを抑えてチェックする5つの方法
それでは、そんな高額なデザイン本をコストを抑えて手に入れる方法はあるのでしょうか?
ここでは、5つの方法をご紹介します。
- 大型中古書店
- Amazonマーケットプレイス
- Kindle Unlimited
- カフェ併設の本屋
- ギャラリー内にある図書館など
デザイン本は欲しいけどちょっと値段が…、という人でも手に入れやすい方法を書きましたので、参考にしてみてください。
大型中古書店
画像引用:ブックオフ【公式】(@BOOKOFF)さん / X (twitter.com)
まずはじめに思いつくのは、ブックオフを代表とする街の大型古書店でしょう。
デザイン本は使わなくなると、重くてかさばるため、売りに出す人も多いです。
さすがに、最新のデザイン本は中々売っていませんが、数年前に発売されたデザイン本が大型古書店に並んでいることはザラ。
特に写真集やハードカバーのデザイン本がお得に買えることもあるので、近くにお店がある人はこまめにチェックしてみましょう。
デザイン雑誌のバックナンバーもあったりするので、意外と掘り出し物が見つかります。
あとは、カバーが厳重にかかっていなければ中身を確認してから買えるのもいいですね。
Amazonマーケットプレイス
画像引用:Amazon | 本, ファッション, 家電から食品まで | アマゾン
Amazonマーケットプレイスなどのオンライン中古書店なども割とおすすめです。
代表的なところでいうと、バリューブックスとかブックオフオンラインなどもAmazonマーケットプレイスに出品していることもあります。
また、Amazonマーケットプレイスを経由しないで自社のサイトで直接販売しているATELIERなどの販売サイトも。
参考:古本買取販売 | ATELIER | アトリエ | デザイン 写真集 美術書 アートブック 建築 (books-atelier.com)
ただし、オンラインの中古書店は、書籍そのものを手に取ることができないので、中身は写真などから判断するしかありません。
その点に気を付ければ、コストも安く抑えられるので割と使い勝手は良いでしょう。
Kindle Unlimited
画像引用:Kindle Unlimitedにサインアップして無料体験に登録する (amazon.co.jp)
もう一つの方法としては、AmazonのKindle Unlimitedなど読み放題のサブスクサービスに加入して、タブレットやスマホなどで閲覧するという方法です。
デザイン本は重くて、とてもかさばるため、基本的には持ち運びには向きません。
ですが、電子データであれば、気軽に持ち運べますし、サブスクであれば何度も見返すことも可能。
注意点としては、ディスプレイ自体は光の三原色のRGB、印刷物は色の三原色をベースにしているCMY(K)で作成されているため、若干色味が変わります。
他にも文字のサイズ感が掴みづらいなどのデメリットもありますが、レイアウトの仕方やアイデア発想法などの部分には影響はありません。
月額1,000円ちょっとで、様々なデザイン雑誌やデザイン本を閲覧できるというのはかなり魅力的でしょう。
カフェ併設の本屋
画像引用:蔦屋書店の店舗一覧やイベント検索、オンラインショップ | 蔦屋書店ポータル (tsite.jp)
カフェが併設されている蔦屋書店のような本屋も、デザイン本を探しに行くのには適しています。
通常の本屋だと、ゆっくり本を選びたくても椅子やテーブルが常設されているお店は数少ないでしょう。
カフェが併設されている本屋では、カフェ内に「1人●冊まで持ち込み可」などの表示があり、購入前にじっくりデザイン本を選べる所も多いです。
そのため、本を買ってから「失敗した!」という割合はかなり少なくなるでしょう。
無駄な出費が減るため、結果的にコストを抑えてデザイン本を入手できるという訳です。
ギャラリー内にある図書館など
画像引用:国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO (nact.jp)
最後は、ギャラリーに併設されている図書館、いわゆるアートライブラリーのご紹介です。
大きい美術館には展示室の近くに、アートライブラリーが設置されていることが多々あります。
一般的には、貸出自体は出来ない所が多いですが、閲覧自体は関係者以外の一般人でも可能。
そのため、どうしてもデザイン本を買う予算が無いというときは、このようなアートライブラリーを利用するのも1つの手段です。
街の図書館でもいいのですが、デザインや美術の本は蔵書数が少ない施設も多いため、専門図書館の役割を果たすアートライブラリーのような場所は重宝されています。
もし一度も行ったことがないよ、という方はぜひ足を運んでみてください。
本屋さんでは見かけることもないような、思わぬ本や雑誌と遭遇できるかもしれませんよ。
おしゃれなデザイン本は、中古書店・ネット・図書館を駆使してチェック!
ここまで、コストを抑えてデザイン本をチェックする方法をお伝えしてきました。
今回の記事では敢えて、おすすめのデザイン本や雑誌を紹介するということはしていません。
というのも、どんなデザインが好きかは人によって多種多様なため、自分がいいと思ったデザイン本でも、相手の嗜好とマッチしないことがあります。
一番いいのは、自分が手に取った時に「この本、どうしても欲しい!」という感情が芽生えた時でしょう。
なぜなら心に響くデザインでなければ、なかなか自分の記憶に定着しません。
もし、自分の心や感情に響けば、きちんと自分の中にデザインの引き出しとしてストックされます。
どうしても欲しい本を見つけたときは、なるべくコストを抑えながら手元に置いておきましょう!
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