はじめして。元グラフィックデザイナーの「ぴりおど」と言います。
美大ではない一般大学の文系学部を卒業後、デザイン専門学校へ進学して卒業と同時にデザイン業界に入りました。
10年ほど前に、広告業界のグラフィックデザイナーとして働いていましたが、どうしても”続ける”という選択を選べず、”辞める”という道を選びました。
今は一般人として、事務員の仕事をして生きています。
辞めた理由は様々です。激務、薄給、上司によるパワハラ、鬱病発症、自身のデザイン能力の限界、人間関係、目標の喪失・・・etc
デザインの学校で、何年も学んできたデザインの知識や技術も、現場では活かすことが出来ませんでした。
デザインの世界を離れた後は、無職で収入も無くなり、実家の両親を頼らざるを得ませんでした。
学生時代はあんなにデザイナーという職業に憧れていたのに。デザイナーとして就職したときは家族や親戚、友達もあんなに喜んでお祝いしてくれたのに。
毎日目標に向かって努力している時間は辛いときもあったけど、本当に楽しい時間でした。
けれども。その思いとは裏腹に、心身の方が悲鳴をあげてしまったのです。
失職した後の時間は、本当に人生のどん底とも言える時間でした。応援してくれた家族や親戚、友達にも顔向けできず、本当に辛く、情けないという思いでした。
まるで魔法使いが一切の魔法を使えなくなる「呪い」をかけられてしまったかのように、デザインの力を全て奪われてしまったかのような感覚です。
何か作品を作ろうとしても、パワハラを受けていた時の恐怖を思い出して、身体がデザインの力を使うことを拒否するようになってしまいました。
具体的には、白紙の紙を見ると心臓が苦しくなり、ペンを持つことすら出来ない状態です。魔法使いが自分の杖を失ってしまうのと同じ感覚だと思います。
それから何年もの間、心療内科に通って薬を飲みながら治療を続けていくことになりました。
それでも。僕は生きていかなければなりません。当時27歳。
無職・鬱病持ち・パラサイトシングル・実家暮らし、というマイナスの環境からもう一度自分の人生を模索することになります。
そして現在。僕はアラフォー世代となり、運よく転職/結婚もして、しがない事務員の仕事をしながら何とか生きています。この10年以上の間に、失ったデザインの力も少しずつ取り戻し、病気も克服していきました。
デザインの力と健康な身体は取り戻したけど、またデザインの世界へ戻るという選択肢は選びませんでした。
そして、デザインの力を持ったまま、今の自分の周りの世界を見てみると、また違った世界が見えてきます。
このブログではそんな自分の実体験を伝えていくことで、本来の自分の力を取り戻して生きていく人の手助けができればと思います。
自分が本当に好きなことを仕事にするということはとても素晴らしいことだと思います。ただ、その選択肢が閉ざされてしまった時、こんな生き方もあるよ。と、伝えていきたい。
そんな思いからこのブログを立ち上げました。このブログを通じて、少しでも多くの人に一歩前へ踏み出す勇気を与えることが出来ればと思います。
これからどうぞよろしくお願いします。