「Canvaで作ったけど、なんかチラシっぽく見えない」——そんな悩みを抱えたことはありませんか?
役所で使うチラシは、民間の広告とは異なる“見せ方の型”があります。
求められるのは「信頼感」「読みやすさ」「整った印象」
この3つを押さえることで、見た目にも中身にも安心感のある広報物になります。
この記事では、Canva初心者でもできる「役所っぽい」チラシを作るための基本を、デザイン経験がなくても実践できるよう丁寧に解説します。
実務でチラシを担当する事務職や広報担当者に向けて、明日からすぐ使えるノウハウをお届けします。
Canvaで作る役所チラシ、“それっぽく”見せる3つの視点

Canva初心者でも“それっぽさ”を演出するために、どこに注目すればよいのか。この記事ではまず、役所チラシを“それっぽく”見せるための3つの基本視点をご紹介します。
結論からお伝えすると、以下の3つの視点を意識することで役所らしい「きちんと感」を出すことができます。
- レイアウトは上下2段で視線を誘導する
- 配色は「3色以内+無彩色」で整理感を出す
- フォントは「明朝×ゴシック」で統一感を出す
順番に見ていきましょう。
レイアウトは上下2段で視線を誘導する
役所のチラシでは「何が、いつ、どこで行われるのか」といった概要を最初に示すのが一般的です。
そして、Canvaではグリッド機能や長方形の枠などを活用することで、自然な2段構成の作成が可能。
上段にはイベント名や開催日時、下段には内容や連絡先など、情報を層で整理することが「きちんと感」につながります。
例えば、イベントチラシであれば「○○講演会 開催のお知らせ」などのキャッチコピーと日時・場所を上部に大きく配置。
詳細な講演内容や参加方法、注意事項などは下段にまとめるだけで、読みやすく印象の良いレイアウトになるでしょう。
配色は「3色以内+無彩色」で整理感を出す
配色ルールを守るだけで、全体の印象が一気に整います。メインカラーとアクセントカラーを1色ずつ選び、それ以外は白・黒・グレーで調整するのが鉄則です。
たとえば、青+オレンジ+グレーの組み合わせは、落ち着きとメリハリのバランスが取れていて、行政広報にも向いています。
Canvaではカラーパレットを事前に決めておくことで、統一感のあるデザインが簡単に再現できます。
この「色の節制」ができているかどうかは、チラシ全体の品位を左右する要素でもあります。
「とりあえず目立たせよう」と安易に複数の色を入れると、読みづらく雑多な印象になってしまいます。まずは「3色以内」と決めて配色を設計してみましょう。
フォントは「明朝×ゴシック」で統一感を出す
役所チラシでは、読みやすさが命です。見出しは視認性の高いゴシック体、本文は信頼感のある明朝体がおすすめです。
Canvaでは「Noto Sans JP(ゴシック)」と「Noto Serif JP(明朝)」の組み合わせがベーシックかつ効果的。
フォントの種類を増やさず、サイズや太さでメリハリをつけることが大切です。
ポイントは、見出しと本文の違いを「フォントの種類」でなく「文字サイズ」や「行間」で調整する意識を持つこと。
たとえば、見出しは大きく太く、本文は適度な行間と控えめなサイズ感で構成すると、自然に「読みやすさ」が生まれます。
なぜ「役所らしさ」がチラシに必要なのか?

役所チラシの“らしさ”は、情報の信頼性を見た目で担保する役割を持っています。具体的には以下の2点が重要です:
- 読みやすさが伝わりやすさにつながる
- 視覚的な“整っている感”が信頼を生む
読みやすさが伝わりやすさにつながる
行政のチラシは、子どもから高齢者まで幅広い層が目にする媒体です。難しい漢字や業界用語が並ぶだけで敬遠されてしまう可能性があります。
そのため、情報を適切に整理し、視線の流れを意識して構成することが大切です。
見出し・本文・注釈を明確に分ける、強調ポイントは太字にするなど、読み手がストレスなく情報を拾える設計が“読みやすさ”を生みます。
視覚的な“整っている感”が信頼を生む
整った見た目は「きちんとしている印象」を与え、自然と読み手に安心感を届けます。
役所のチラシでは、細部のデザインが「情報の信ぴょう性」や「発信元の誠実さ」に直結します。
フォントの大きさが揃っていなかったり、行間が詰まりすぎていたりすると、どれだけ内容が正しくても読みにくくなり、結果的に“伝わらない”チラシになってしまいます。
Canvaのテンプレに頼りすぎない工夫

テンプレートを活用する際も、使い方ひとつで印象は大きく変わります。以下の視点から、テンプレ依存を脱する方法を考えてみましょう。
- テンプレを使うだけでは足りない理由
- 基本設計を理解して使いこなす
テンプレを使うだけでは足りない理由
Canvaのテンプレートはデザイン性が高く、初心者にとって便利な存在です。
しかし、役所チラシに求められるのは「自分たちらしさ」「地域らしさ」「必要な情報を正確に伝える力」です。
テンプレの雰囲気に合わせすぎて、本来伝えたい情報がぼやけてしまっては本末転倒です。
装飾の多いテンプレートはかえって読みづらくなることもあるため、シンプルさを保つことも意識しましょう。
基本設計を理解して使いこなす
テンプレートを使う際は、「この枠は何のためにあるのか」「なぜこの順番なのか」といった設計意図を読み取るようにしましょう。
構成を自分の伝えたい内容に合わせてカスタマイズすることで、“テンプレを使っただけ”という印象を払拭できます。
見出しや色、アイコンなどの要素も、自分たちのトーン&マナーに沿って調整すると、伝わり方が格段に良くなります。
Canva Proが使えないときの乗り切り方

役所では、予算やルールの関係で、有料プランであるCanva Proを契約できないことがあります。でも安心してください。無料のCanvaでも、工夫次第で“ちゃんとして見える”チラシは十分に作れます。
以下のような方法を使えば、Proでなくても、きちんとしたチラシを作ることができます。
- 無料で使える日本語フォント(Noto Sans JPやNoto Serif JP)を2種類にしぼって使う。
- Canvaの「グリッド」や「ガイド」機能を使って、配置をそろえる。
- 以前作ったチラシをコピーして使いまわし、毎回ゼロから作らない。
たとえ有料の特別な機能が使えなくても、よく使う色の番号(カラーコード)や、使うフォントの名前をメモしておけば、毎回同じデザインに整えることができます。
背景を消す「背景リムーバー」が使えなくても、白背景の画像を選ぶ、素材の上に四角の図形を敷いて文字を重ねるなどの工夫で対応できるでしょう。
Proでないと共有や共同編集がやりにくいと感じたら、PDFにして送ったり、編集用リンクをコピーして送るなどの方法でカバーできます。
「無料だからできない」とあきらめるのではなく、「無料でどこまでできるか」を考えると、意外と工夫できるポイントはたくさんあります。
ちょっとしたコツを積み重ねることで、Proに負けないチラシを作ることができるのです。
伝わるチラシは、まず“整っている”ことから

たとえ派手さがなくても、情報が見やすく整理されているチラシは、それだけで「情報の伝達速度」を後押しします。
見た目の印象は一瞬で決まり、信頼性の判断にもつながります。
整ったチラシは、それだけで読む側の“受け取る準備”を整えてくれるのです。
- 上下構成で視線を誘導する:Canvaでグリッドを使い、情報を2段に分けて配置することで、読み手の視線が迷いません。
- 色数を3色以内に抑える:メインカラー+アクセントカラー+無彩色を基本に、使う色を絞ることで全体の印象がまとまり、落ち着いた雰囲気になります。
- フォントを2種に限定する:ゴシック体と明朝体を場面に応じて使い分けることで、視認性と信頼性の両立が可能になります。種類を増やさず、サイズやウェイト(太さ)で変化をつけましょう。
どれも、特別なスキルや有料機能がなくてもできることばかりです。
チラシは「作る人の思いや誠実さ」が反映されやすい表現媒体でもあります。だからこそ、細部の積み重ねが“伝わる”をつくるのです。
小さな工夫を少しずつ重ねて、あなたらしい役所チラシのスタイルを見つけていきましょう。
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